アメリカ上院は9日、トランプ元大統領の弾劾裁判を開始した(2021年2月9日、ワシントンD.C.)。
REUTERS/Al Drago
- トランプ元大統領の弾劾裁判で検察官役(弾劾管理人)の民主党側が流した衝撃的な映像は、裁判の方向性を示すものだった。
- 映像は、トランプ元大統領の演説と抗議デモからエスカレートしていった暴動の様子で構成されていた。
- 暴徒化した人々が警察官に対し、暴言を吐いたり、制圧する様子も映っていた。
アメリカでは2月9日(現地時間)、トランプ元大統領の2度目の弾劾裁判が、1月6日に発生した連邦議会議事堂への乱入事件の映像とともに始まった。
裁判の冒頭、弾劾管理人(検察官役)のトップを務める民主党のジェイミー・ラスキン下院議員(メリーランド州選出)がこの映像を流し、暴動を扇動したのはトランプ元大統領だと主張した。
映像は、トランプ元大統領の演説と暴徒化した人々が連邦議会議事堂を襲撃する様子が時系列でまとめられていて、トランプ元大統領が自身の支持者らに対し、議事堂まで歩いて行き「地獄のように戦え」と語った集会の後、いかにして抗議デモが暴動へとエスカレートしていったかを示している。
トランプ元大統領の演説を聞いた支持者らのリアクションなどもこの映像には含まれている。
暴徒化した人々が議事堂の警察官に対し、「おれたちはトランプに従っている…… お前たちのボスだ」と迫るシーンもあった。
ラスキン下院議員はこの映像を、暴動がいかに差し迫った、恐ろしいものであったかを示すものだと述べ、上院議員らに対し、トランプ元大統領がすでに任期を終えたからといって、この弾劾裁判を取るに足らないものと片付けてしまうことのないよう求めた。
「上院議員の皆さん、(トランプ)大統領は1月13日にこれが理由で下院に弾劾されたのです」とラスキン下院議員は映像の最後に語った。
「これが弾劾に相応しい罪でないなら、そのようなものは存在しないということです」
映像(全編)はこちら:
[原文:Watch the graphic video of the US Capitol siege shown at Trump's impeachment trial]
(翻訳、編集:山口佳美)