オンライン診療のメドレー、コロナ禍でも高成長。営業利益は2.6倍、契約医療機関数は4.7倍に

メドレー

オンライン診療のメドレーの通期決算が発表された。

撮影:三ツ村崇志

2月12日、オンライン診療などで知られるメドレーが、2020年12月期(1〜12月)の本決算を発表した。

主力事業である医療・介護従事者の人材サービスはもちろん、新型コロナウイルスの流行とともに初診での利用が時限的に可能となったオンライン診療での伸びもあり、売り上げは前年比43%増の約68億円

営業利益は、前年の2.6倍となる約4億円の増収増益となった。

医療プラットフォーム部門、利用医療機関数は「4.7倍」に

決算

メドレーの2020年12月期通期決算資料。

出典:メドレー2020年12月期通期決算説明資料

セグメント別に見ると、メドレーの売上高の8割を占める医療・介護従事者の人材プラットフォーム事業(「Job Medley」)の売り上げが、前年比37%増の約57億円と堅調な成長を見せている。

新型コロナウイルスの流行によって、緊急事態宣言が発令された2020年の2Q(4〜6月)では、一時意的に売り上げが落ちたものの、3Q以降(7〜12月)は復調。

2018〜19年にかけて売り上げが約1.6倍の大幅成長を記録していることを考えると、やや物足りないように感じられるが、コロナ禍でも安定して成長したといえるだろう。

また、病院や診療所を対象にしたクラウド診療支援システム「CLINICS」などの医療プラットフォーム事業では、売り上げが前年比2倍の約10億円と大きく成長した。

売上

セグメント別売上比率。メドレーの主力事業は、医療従事者に対する人材サービスだ。

出典:メドレー2020年12月期通期決算説明資料

また、医療プラットフォーム事業の利用医療機関数を見ると、2020年4月10日付で初診患者にオンライン診療を適用する時限措置が発令されたことによって、まずはCLINICSを利用する医療機関が急増。

その後、9月にはオンライン診療と連携した調剤薬局向けのシステム「Pharma」を立ち上げ、全国規模の調剤薬局チェーンを中心に幅広く展開した。

結果的に、CLINICS、Pharmaのどちらか一方以上を利用している医療機関数は、前年比で約4.7倍となる5614件となった。

利用医療機関数

医療プラットフォーム事業では、オンライン診療サービスや調剤薬局向けシステムの導入医療機関の数が前年比で4.7倍に増加している。

出典:メドレー2020年12月期通期決算説明資料

一方、利用医療機関数が5倍近くになった割に、医療プラットフォーム事業の売り上げはそれに対応するほどには伸びていない。

これは、調剤薬局向けのシステムの導入の際、大規模なチェーンをもつ企業にまとめて導入するため、ボリュームディスカウントなどが行われた影響とみられる。

なお、メドレーの決算説明資料を見ると、医療プラットフォーム事業の利用医療機関数、合計5614件のうち半数以上にあたる3000件超がPharmsを導入しているとしている。

しかし、Pharmsは(医療機関向けではなく)調剤薬局向けシステム。オンライン診療を実施する医療機関向けのシステムであるCLINICSのほうは、2020年2Q時点で2173件が導入しており、そこからどの程度導入が進んだのかが判然としない。

実際にCLINICSの普及速度はどの程度変わっていったのか、メドレーの広報に問い合わせたところ、

「クリニック・病院からの(オンライン診療システムCLINICSの)需要については、2020年4月の緊急事態宣言時が最大瞬間風速でした。とはいえ、コロナ以前と比較すれば、いまだに高い水準が続いています」

と回答があった。

2021年度は売上高「100億円」を目指す

来季予想

今季の業績は、当初予想していた範囲内に収まったものの、かなり上振れした。また、メドレーは2025年までに売上高230億円を目指すとしている。

出典:メドレー2020年12月期通期決算説明資料

また、来季の売上予想は、2020年12月期に比べて46〜54%増となる100億円〜105億円と強気の姿勢を示す。

基本的にはこれまでと同様、既存事業に対する継続的な投資を行うことによって成長を図るという。

また、人材サービス部門では、総医療従事者数約870万人に対して、メドレーのシェアは約1割程度とまだまだ開拓の余地は大きい。医療プラットフォーム事業では、さらなる機能開発や新規プロダクトの開発などに投資していくとしている。

(文・三ツ村崇志

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