トランプ前大統領とメラニア夫人。
Photo by Noam Galai/Getty Images
- アメリカでは共和党を支持する有権者の6割近くが、トランプ前大統領に共和党内で重要な役割を果たし続けてもらいたいと考えていることが最新の世論調査で分かった。
- また、2024年の大統領選の予備選挙にトランプ前大統領が立候補すれば、54%の人が前大統領を支持すると答えた。
- 連邦議会議事堂への乱入事件の責任がトランプ前大統領にあると考える共和党支持者の割合は、1月から減少した。
多くの共和党重鎮がトランプ前大統領と距離を置く中、前大統領は今も共和党の有権者から強い支持を得ていることがポリティコとモーニング・コンサルトの最新の世論調査で分かった。
トランプ前大統領が2度目の弾劾裁判で「無罪」となった後、2月14~15日に行われたこの調査では、共和党を支持する有権者の59%が、前大統領は今後も共和党内で「重要な役割を果たし」続けるべきだと考えていることが分かった。連邦議会議事堂への乱入事件が発生した直後、1月6~7日に行われた調査で同様の回答をしたのは41%だった。
そして、2024年の大統領選まではまだ時間があるものの、共和党の予備選挙にトランプ前大統領が立候補すれば、前大統領を支持すると答えた人は54%だった。1月の調査で前大統領を支持すると答えたのは、42%だった。
トランプ前大統領は他の潜在的な候補者を大きくリードしている。ペンス副大統領を支持すると答えた人は12%、前大統領の息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏、サウスカロライナ州の元知事ニッキー・ヘイリー氏を支持すると答えた人はそれぞれ6%だった。その他の候補者を支持すると答えた人は11%だった。
共和党の有権者で、トランプ前大統領に議会乱入事件の責任が多少なりともあると考えている人の割合は、1月の調査では41%だったが、最新の調査では27%に減った。
また、共和党の有権者で、共和党議員に議会乱入事件の責任があると考えている人の割合も、1月の調査では34%だったが、最新の調査では24%に減った。
一方、共和党の有権者で、暴徒化した人々、民主党議員、警察、バイデン大統領に議会乱入事件の責任が多少なりともあると考えている人の割合はいずれも1月の調査より増加した。
アメリカ人全体では、少なくとも暴徒化した人々には議会乱入事件の責任があると答えたのが87%、トランプ前大統領に少なくとも多少の責任があると答えたのは64%、共和党議員に少なくとも多少の責任があると答えたのは52%だった。
暴徒と化した群衆にどういった人々がいたのかをめぐる陰謀論も、根強く残っている。2月14~15日の調査では、43%が暴徒化した人々は「トランプ前大統領の支持者」、29%は「トランプ前大統領の敵」、27%は「分からない」と答えた。
トランプ前大統領の2度目の弾劾をめぐっては、議事堂が襲撃された事件で「反乱を扇動」したとして、下院で10人の共和党議員が弾劾訴追に「賛成」し、上院では7人の共和党議員が「有罪」に投票した。
弾劾裁判は57対43で、トランプ前大統領を「有罪」とするのに必要な3分の2には10票足りなかった。しかし、共和党の有権者の間でトランプ前大統領への支持が回復する中、「有罪」に票を投じた共和党議員の多くが批判にさらされている。
このうち、ビル・カシディ上院議員(ルイジアナ州選出)とリチャード・バー上院議員(ノースカロライナ州選出)をめぐっては、地元の共和党組織がそれぞれ非難決議を可決している。
(翻訳、編集:山口佳美)