パーサヴィアランスの着陸イメージ。
NASA/JPL-Caltech
2月19日、火星探査の歴史がまた1つ塗り替えられた。
NASAの火星探査機「パーサヴィアランス(Perseverance)」が、日本時間6時頃、約200日にわたる旅を終え、無事火星に着陸した。
着陸直後、パーサヴィアランスの公式Twitter では、
I’m safe on Mars. Perseverance will get you anywhere.
と、無事着陸に成功し、機体に不備もないことが伺える投稿がなされていた。
また、着陸からものの数分で、1stショットとなる火星の画像を地球へと送信している。
パーサヴィアランスが火星着陸後最初に地球に送ってきた画像。パーサヴィアランスは公式Twitterを持っており、今後、撮影した画像が次々とアップされていくことになるだろう。
NASA/JPL-Caltech
パーサヴィアランスが着陸したのは、かつて湖だったとされている「ジェゼロクレーター」。実際に着陸した地点は、当初想定されていた着陸地点のほぼど真ん中だったという。
「宇宙に生命は存在するのか」
歓喜に湧く管制室。
NASA/Bill Ingalls
パーサヴィアランスは2012年から火星探査行っているNASAの火星探査車「キュリオシティ(Curiosity)」の後継機にあたる探査車。
火星に残されていることが期待される「生命の痕跡」の調査を行い、2020年代後半にはヨーロッパ宇宙機関と協力して、パーサヴィアランスが回収した火星のサンプルを地球へと持ち帰るミッションにも挑む予定だ。
NASAの科学担当副長官のトーマス・ザーブチェン氏は、今回のミッションについて次のように語る。
「パーサヴィアランスは、火星からサンプルを持ち帰るための最初のステップとなります。火星から得られるサンプルによって何が分かるかは、まだ分かりません。しかし、どんなことであろうとも、それは歴史的に価値のあるものでしょう」
パーサヴィアランスの打ち上げ前、NASAのジェット推進機構でパーサヴィアランスのプロジェクトに関わっている日本人エンジニアの小野雅裕さんは、Business Insider Japanの記事の中で、今回のプロジェクトについて次のように話していた。
「我々は何千年にもわたり、宇宙に命はあるのか、そして命とは何かという問いを考え続けてきました。人類にとって最も古く深遠な問いへの手がかりが、このローバーによってもたらされるかもしれないのです」
宇宙に生命は存在するのか。
パーサヴィアランスによって、人類の火星探査の歴史が大きく動き出そうとしている。
(文・三ツ村崇志)