バーガーキングのブランド再構築が好評…20数年ぶりのデザイン刷新、成功の理由は

bk01

刷新されたバーガーキングの看板。

Burger King

  • バーガーキングは2021年1月、20数年ぶりとなるブランド再構築を行った。
  • 2人のデザイナーが、新しいロゴはブランドのオリジナリティをうまく取り入れていると、Insiderに語った。
  • 新しいロゴは、色と形でワッパーをイメージさせるものになっている。

バーガーキングは1月、クラシックな書体でワッパーをイメージさせる新しいロゴマークなど、20数年ぶりとなる全面的なブランドの再構築を行った

新しいロゴは、2つのバンズでブランド名を挟み、クラシックなバーガーキングの現代版ともいえるものだ。今回のリブランドでは、黄、茶、赤、オレンジなどワッパーを彷彿とさせる色と、新しいフォント「Flame」を使ってデザインを構築している。

バーガーキングは、新しいブランドカラーの従業員ユニフォーム、ワッパーを強調するロゴ看板、グリルが見えるオープンキッチンの導入など、時間がかかる部分については段階的にリニューアルを展開している。

今回のリブランドは、Ad Ageの専門家やシンプルで楽しげなデザインを評価する消費者などから注目を集めている。

Insiderでは、2人のデザイナーに意見を聞いた。

一人目はスクール・オブ・ビジュアル・アーツのMasters in Brandingプログラムの共同創設者で、ポッドキャスト「Design Matters」の司会を務めるデビー・ミルマン(Debbie Millman)。彼女は1999年に発表されたロゴのデザインチームの一員だ。彼女は今回のJKRグローバルの仕事が大好きだという。そして、新しいデザインには「温かみとレトロなテイスト」があり、バーガーキングのルーツを思い起こさせると述べた。

bk02

新旧のロゴマーク。

Burger King

以前のロゴがデザインされた1999年頃、バーガーキングは苦境に陥っていた。売り上げが低迷し、新しいメニューの追加から、簡易的なインターネットカフェ設置まで、客を呼び込むためのさまざまな施策を行っていた。

「当時はナイキのマークやグラデーションが流行っていた。そのときのロゴは、バーガーキングが、モダンでシャープで、少しエッジが効いていることを表現していた」と、ミルマンはInsiderに語った。

もう一人はデザインやポップカルチャーに関する書籍を100冊以上執筆、編集し、スクール・オブ・ビジュアル・アーツのMFA Designer as Author programの共同創設者であるスティーブン・ヘラー(Steven Heller)。彼は、以前のデザインに批判的だった。色の組み合わせがよくないことや、青い囲みがスポーツブランドのロゴのように見えることから「ひどいもの」だという。

「普通は、食品関連企業は青を使用しない」と、ヘラーは語った。バーガーキングのチーフ・マーケティング・オフィサーのフェルナルド・マシャド(Fernando Machado)もこれに同意している。「青い食べ物は存在しない」と、彼はリブランドについてInsiderに述べた。

bk03

リブランドしたバーガーキング。

Burger King

「リブランドしたロゴはバーガーキングの新しい時代を映したもので、新鮮でクリーンな食材が一番だということを、シンプルで加工の少ない頃を振り返ることで表現している」と、 ミルマンは評価した。

ヘラーも同様に感じており、新しいデザインはもともとのブランド・コンセプトに回帰していると述べた。新しいロゴは、「本物の肉を連想させ」、そして「企業っぽい以前のロゴより、ずっと上品でおいしそうだ」という。

bk04

リブランドしたバーガーキング。

Burger King

前回のデザイン制作に関わったミルマンは、文化や人々が好むブランディングは20年前と今では異なっているとInsiderに語った。

「今はデザインや体験という点では、あまり作り込まれていない輝きを求めていて、より率直で正直なアイデンティティーを好む人が多いと思う」

「よいロゴとは、洗練されたロゴだ。不要なものを取り除くことがすべてだ。もしコンセプトがうまく表現されておらず、ニュアンスが違っているなら、それは機能しない」と、ヘラーはInsiderに語った。

[原文:Burger King's nostalgic rebrand was a huge hit. 2 designers explain why it was a success.

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み