マジック・キングダムにあるシンデレラ城(2019年)。
Disney Parks
- シンデレラ城はアメリカのフロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールドのランドマークだ。
- だが、その姿は年月の流れとともにかなり変化している。
- 2021年10月にパークが50周年を迎えることから、シンデレラ城は現在改装中だ。
マジック・キングダムのシンデレラ城を目にすることくらい、ディズニー・ワールドに来たことを実感することはない。
1971年にオープンして以来、この象徴的なランドマークは初めてのゲストから長年のファンまで多くの人々を迎えてきた。だが、その姿は常に同じではない。
シンデレラ城がどう変化してきたのか、写真とともに振り返ってみよう。
1970年、シンデレラ城は18カ月をかけて建てられた。
YouTubeにディズニーが投稿した古い動画から分かるように、シンデレラ城は何もない荒涼とした土地に建てられた。
ディズニー・ワールドによると、建設にあたってはコンクリートやスチール、漆喰、セメント、グラスファイバーといった資材が使われたものの、レンガは一切使用されていないという。
開園日までにディズニーのイマジニアたちは、プリンセスにふさわしい建物を作った。
マジック・キングダムを楽しむ人々(1972年9月22日、フロリダ州オーランド)。
Charles Bennett/AP
ディズニー・ワールドは1971年10月1日にオープンした。当時は明るい青、グレー、ゴールドで塗られたシンデレラ城の前を豊かな緑が囲んでいた。
それぞれの尖塔の上には小さな旗がついていた。高さ189フィート(約58メートル)のシンデレラ城は、今でもマジック・キングダムの中で一番高い建物だ。
オープンから20年以上が経った1995年、シンデレラ城はその象徴的な姿を維持していた。
1995年4月28日。
ABC Photo Archives/Getty Images
この年に撮られた写真を見ると、シンデレラ城は開園日とほとんど同じように見える。だが、尖塔はもともとの色よりも濃い青で塗られているように見えるし、城の入口の前にはカラフルな旗が飾られている。
ところが1996年、ディズニーはこのランドマークをパークの25周年を祝うためにピンクのバースデーケーキに変えた。
シンデレラ城は1年以上、ピンクのままだった。
Chris O'meara/AP
ブログ「Disney Everyday」によると、シンデレラ城は1996年10月1日にピンクのバースデーケーキに生まれ変わった。城は1998年1月31日までこの姿のままだった。
この"変身"は賛否両論を招いた。世界中からパークを訪れる人々が写真を撮りたいのはシンデレラの家の前であって、実物より大きいケーキの前ではなかったようだ。
2005年には、再びその姿に変化が。
2005年5月5日。
Robert Sullivan/Getty Images
ディズニーランドは2005年に50周年を迎え、世界中のディズニーのテーマパークがこれを祝った。ディズニー・ワールドでは、シンデレラ城のそれぞれの尖塔がゴールドで飾り付けられた。キャラクターの像も用意され、例えばピーターパンやウェンディーは一番高い尖塔の周りを飛んでいた。
また、城の前面には「魔法の鏡」が取り付けられ、世界中にあるディズニーの他の城の姿を表示していた。
最も驚きの変化の1つは、ディズニー・ワールドに「スティッチのグレート・エスケープ!」というアトラクションができた時に起きた。
WDW Infoによると、スティッチのアトラクションが2004年11月16日にオープンすると、ファンは園内の巨大なスティッチのバルーンに驚かされたという。
さらに中へ進むと、シンデレラ城はトイレットペーパーでぐるぐる巻きにされ、「スティッチは王様!」と書かれていた。
2007年、ディズニーは初めてシンデレラ城をキラキラ輝く照明で覆った。
2017年11月5日。
Handout/Getty Images
2007年からショーの内容は変わっているものの、ディズニー・ワールドでは毎年、これを実施している。
例えば2019年は、『A Frozen Holiday Wish』の一環として、11月から12月にかけて毎晩シンデレラ城はキラキラと輝いた。
シンデレラ城は、毎年恒例のクリスマス・パレードに向けて飾り付けされることが多い。
シンデレラ城の前でパフォーマンスするジョナス・ブラザーズ(2009年12月6日)。
Handout/Getty Images
上の2009年の写真からは、ディズニー・ワールドがマジック・キングダムのランドマークにクリスマスの雰囲気をプラスするために、赤いカーテン、花飾り、リース、オーナメントを使っていたことが分かる。
同様の飾り付けは今でもパーク内で使用されている。そして、ディズニーの従業員が果たすさまざまな役割について書かれた『One Day at Disney』によると、これらの飾りは全て1人のキャストメンバーが購入したものだという。
2011年、ディズニー・ワールドはシンデレラ城を映像で包んだ。
夜のショー『The Magic, The Memories, and You!』(2011年11月9日)。
Handout/Getty Images
Touring Plansによると、2011年から2012年にかけて行われたライトショー『The Magic, The Memories, and You!』では、実際の来園者の姿やディズニー映画の場面といったさまざまな映像をシンデレラ城に映し出すため、特殊効果が使われた。
11月から12月にかけては、ショーにもクリスマスらしさが取り入れられ、シンデレラ城はキャンディケーンやジンジャーブレッドの映像で包まれた。
2019年の時点で、シンデレラ城は1971年にマジック・キングダムがオープンした時とほとんど同じ姿をしていた。
マジック・キングダムのシンデレラ城(2019年)。
Disney Parks
もちろん、年月とともに建物には手が加えられている。それでも、青とグレーの色づかい、尖塔、ゴールドのアクセントはそのままだ。
2020年2月、ディズニーはシンデレラ城の姿が年末までに大きく変わると発表した。
Disney Parks
マジック・キングダムのバイスプレジデントであるジェイソン・カーク(Jason Kirk)氏は、『シンデレラ』70周年を記念してシンデレラ城を大改造すると、ディズニー・パークのブログで発表した。
当時、具体的にどう変わるのか詳細は明かされなかったものの、完成予想図ではピンク色になっていた。ファンが新しいシンデレラ城をいつ見ることができるかも分かっていないが、工事はコロナ禍でパークが一時休園する前に始まっている。
2020年3月までに作業はかなり進んだものの、コロナ禍の規制によってディズニーは工事をストップさせなければならなかった。
工事中のシンデレラ城(2020年3月12日)。
Orlando Sentinel/Getty Images
3月の時点で、シンデレラ城の周りに建設機器があるのが分かる。ただ、来園者はあまり気にしていないようで、写真を撮ったり、城の周りに集まったりしていた。
しかし、新型コロナウイルスのパンデミックでディズニー・ワールドの工事は3月にストップした。これがシンデレラ城の大改造に今後どう影響するかは分かっていない。
2020年4月、ディズニー・ワールドは医療従事者への感謝を込めて、シンデレラ城を青色にライトアップした。
2020年4月7日。
Orlando Sentinel/Getty Images
ライトアップは4月7日の「世界保健デー」に合わせて行われた。
「これは、この困難な時期にウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの全キャストメンバーを代表して、医療従事者に敬意を示すものだ」と当時、Walt Disney World Newsの代表者はコメントした。
2020年7月、来園者は塗り替えられたシンデレラ城をちらっと見ることができた。
Disney/Handout/Getty Images
7月11日の営業再開を前に、ディズニーは一部の選ばれたキャストメンバーにアニマル・キングダムかマジック・キングダムを訪れる機会を与えた。後者を選んだキャストメンバーたちは明るい青の尖塔と淡いピンク色の壁に新しく塗り替えられたシンデレラ城を見ることができた。
多くの人々がシンデレラ城の新しい色を好きだと言う一方で、作業途中のように見えるとかディズニーランドの城に似過ぎていると指摘する声もあった。
マジック・キングダムのバイスプレジデントであるジェイソン・カーク氏は、まだ「仕上げ」をしているところだとDisney Parks Blogでコメントした。
ロサンゼルス・レイカーズのNBA優勝を祝って、ディズニーはシンデレラ城を紫とゴールドでライトアップした。
2020年10月11日。
Handout/Getty Images
Insiderでも報じたように、米プロバスケットボール協会(NBA)はウォルト・ディズニー・ワールドでチームを「バブル」に入れることで、2020年のシーズンをパンデミックの最中に再開させた。選手たちは3つのディズニーのホテルに滞在し、試合はリゾート内にあるESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックスで行われた。
10月11日にロサンゼルス・レイカーズが優勝すると、ディズニーはシンデレラ城を紫とゴールドでライトアップし、これを祝った。
開園50周年に向けて、ディズニー・ワールドはシンデレラ城の飾り付けをさらに増やしている。
2021年10月1日に始まり、18カ月続く『The World's Most Magical Celebration』に向けて、シンデレラ城は金色のリボン、青いバナー、50周年のサインで飾り付けられる予定だ。
新たな飾り付けは、2020年にピンクとゴールドに塗り替えられたシンデレラ城を引き立たせる。
[原文:16 photos show how Disney World's Cinderella Castle has changed throughout the years]
(翻訳、編集:山口佳美)