フェイスブックが反アップルのキャンペーン…パーソナライズド広告の制限は小規模事業者のためにならないと主張

マーク・ザッカーバーグ

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO

REUTERS

  • フェイスブックは、中小企業や小規模店舗がパーソナライズド広告を活用していると主張する新しいキャンペーンを開始した。
  • これは、アップルが2021年春に予定しているプライバシー保護を強化するポリシー改訂に対抗するためのものだ。
  • フェイスブックはポリシー改訂で大きな打撃を受ける可能性があることから、アップルと争ってきた。

フェイスブック(Facebook)は、アップル(Apple)との争いの最中で、パーソナライズド広告の必要性を主張する新たなキャンペーンを開始した。

Good Ideas Deserve to be Found(よいアイデアは発見されるに値する)」と題されたキャンペーンでは、フェイスブックやインスタグラムのユーザーがスモールビジネスを見つける際に、パーソナライズド広告が役立っていることを示し、とりわけパンデミック下ではそうだと述べている。キャンペーンを紹介する動画では、フェイスブックで「ヤギとヨガ」の教室を見つけた女性や、インスタグラムでアフリカの伝統に根差したライフスタイルブランドの広告を発信する様子が描かれている。

「すべてのビジネスはアイデアから始まる。パーソナライズド広告を介してそのアイデアを共有できることは、スモールビジネスにとって大きな変化だった」と、フェイスブックはキャンペーンのテーマを発表したブログの中で述べた。

「パーソナライズド広告の使用制限は、ビジネスの成長に欠かせないエンジンを奪うことになるだろう」

このキャンペーンは、アップルのプライバシー保護強化のためのポリシー改訂に先立ち、パーソナライズド広告の価値を強調するためにフェイスブックが行っている取り組みだ。アップルは2020年にソフトウェアのアップデートを公開した際、ユーザーが広告目的で追跡されることをオプトアウト(事前に拒否すること)できるようにする新機能を発表した。だがアプリ開発者からの猛反発を受け、アップルは、開発者に必要な変更を行う猶予を与えるために、ポリシー改訂を2021年に延期すると述べた。

アップルの新機能発表は、フェイスブックを激怒させた。フェイスブックによると、この新機能により、同社の「Audience Network(オーディエンス・ネットワーク)」というツールを利用した事業が壊滅的な状態になる可能性があるという。このツールは、サードパーティのアプリがパーソナライズド広告を配信できるようにするものだ。フェイスブックは、アップルの新機能により、iOS用のAudience Networkからの収益が最大50%減少する可能性があることから、このツール自体の提供を停止せざるを得ない可能性もあると述べた。

フェイスブックは1月27日、第4四半期決算を発表した際に、2021年春に予定されているアップルのポリシー改訂により、早ければ2021年第1四半期から売上高に影響が生じるだろうと警告した

フェイスブックは、アップルのポリシー改訂を非難し、スモールビジネスを擁護するために、大々的なキャンペーンを行ってきた。2020年12月には、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルの各紙に「我々は、あらゆるスモールビジネスのために、アップルに立ち向かう」と訴える全面広告を掲載した。それには「フェイスブックのデータによると、パーソナライズド広告がなければ、平均的なスモールビジネスの広告主の売り上げは60%以上減少する」と書かれていた。

これに対してアップルも反論し、新たなプライバシー機能はユーザーを守るものだとInsiderに語った

「ユーザーは自分のデータがいつ収集され、他のアプリやウェブサイト上で共有されるのか把握すべきであり、それを許可するかどうか、自ら選択できるようにすべきだ」

パーソナライズド広告の問題は、フェイスブックとアップル、そして両社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)とティム・クック(Tim Cook)の間で進行中の争いに、新たな局面を追加した。この争いの発端は、少なくとも、クックがフェイスブックのビジネスモデルを公然と非難した2014年まで遡る。アップルのプライバシーポリシーについての公開書簡で、クックは「オンラインサービスが無料である場合、ユーザーは、顧客ではなく製品だ」と書いた。その後、著名なキャスターのチャーリー・ローズ(Charlie Rose)の番組のインタビューでも、グーグルやフェイスブックのような企業は「大量の個人データを収集することで金儲けをしている」と述べている

そして、2018年にケンブリッジ・アナリティカ事件(フェイスブックの個人データ不正利用疑惑)が発覚した際、クックはザッカーバーグを猛烈に批判し、Recordのカーラ・スウィッシャー(Kara Swisher)とMSNBCのクリス・ヘイズ(Chris Hayes)がホストを務めたテレビの特別番組でのインタビューで、自分はザッカーバーグが置かれているような状況には陥らないだろうと述べた。

一方、ザッカーバーグは、アップル製品があまりに高価だと批判しており、後に同社の従業員にアンドロイドを使うように指示するまでになった。また、フェイスブックもザッカーバーグとクックが口論していることを認識しており、2018年11月のニューヨーク・タイムズの記事を受けて発表した声明で「ティム・クックは一貫して当社のビジネスモデルを批判しているが、ザッカーバーグはそれにまったく同意していない」と述べた。

The Informationが1月に報じた記事によると、現在、フェイスブックはアップルに対する訴訟を準備しているという。この訴訟では、アップルがアプリ開発者に対し、手数料が差し引かれるアプリ内課金システムを利用させるといった、アップル製のアプリには適用されないルールに従うことを強制していると主張するつもりだという。

フェイスブックは数カ月前からこの訴訟の準備に取り組んでいると報じられており、他の企業に訴訟への参加を呼びかけることを検討しているという。

[原文:Facebook is making the case that small businesses rely on personalized ads ahead of a major Apple software update that could devastate part of Facebook's ads business

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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