2020年末のahamo発表のあと、ahamoを軸に大手キャリアの格安料金プランは進展してきた(2020年12月3日撮影)。
撮影:小林優多郎
NTTドコモは3月1日、オンライン専用料金プラン「ahamo」の料金を、従来発表していた税別2980円から同2700円に引き下げると発表した。
ahamoの先行エントリーは2月28日現在で160万を超える「殺到」と言える状況で、開通を遅らせた人に追加3000ポイントを付与するなどの、新施策も打ち出した。
税別2700円に料金を引き下げ、dカード特典を追加
ahamoの料金を、サービス内容に手を加えることなく税別2700円に改定。
出典:NTTドコモahamo記者説明会より
ahamoの料金は、発表当初は税別2980円としていた。
ただahamo発表後に、競合他社が同様の料金プランで音声通話を分離することにより低価格を実現してきたこともあり、ahamoも同様に音声通話を分離して料金を下げればいいのでは、という声が届いていたという。
しかし、ahamoは国内通話5分無料という通話も含めたシンプルな1プランであるという特徴を重視するとともに、「20代のユーザーでも約90%が家族間などで音声通話を利用していること、社会人になると音声通話を利用する機会が増えること」などの理由から、プラン内容を変更することなく、料金を税抜2700円に下げることにした。
これにより、「税込でも2970円と3000円を切る料金設定になるため、お得感を十分に感じてもらえる」(NTTドコモ 常務執行役員 営業本部長・鳥塚滋人氏)と説明した。
また、ahamoの料金支払いにdカード GOLDを利用する場合の特典も新たに追加した。
具体的には、以下の2つだ。
- ahamo利用金額の10%のdポイント(上限300円)を還元
- 5GBのボーナスパケットが付与
料金支払いをdカード GOLDにすると10%のdポイント還元と5GBのボーナスパケットが付与される。
出典:NTTドコモahamo記者説明会より
通常のdカードの場合、ポイント還元はないが、1GBのボーナスパケットが付与される。これらdカード特典は、ポイント還元がahamo開始と同時の2021年3月26日から、ボーナスパケット付与は2021年9月からの提供開始を予定している。
iPhone11も販売、全93機種対応、ケータイ補償サービスも
ahamo対応端末にiPhone 12が含まれることを発表。
出典:NTTドコモahamo記者説明会より
ahamoの料金引き下げと合わせ、ahamo対応端末も発表された。
iPhoneはiPhone 12シリーズも加えた21機種、Androidスマートフォンは72機種の、全93機種で動作を確認しているという。
いずれも2017年頃以降にドコモが販売した端末をほぼ網羅する形だ。それ以前に発売された端末や、ドコモ以外で販売された端末については現時点では未発表だが、それらも含めて現在も対応端末の確認を進めている段階。今後、動作確認できたものから順次ahamoサイトで告知する。
iPhoneは2017年以降発売の全21機種に対応。
出典:NTTドコモahamo記者説明会より
また、「おトクに購入できるおススメ機種」として、iPhone 11、Galaxy S20 5G、Xperia 1 IIの3機種を用意。これら3機種については、ahamoサイトからSIM契約と同時に購入が可能となり、販売価格も比較的安価に抑えられている。
ahamoサイトから購入できるおススメ端末として、1世代前のiPhone 11を用意。
出典:NTTドコモahamo記者説明会より
また、キャリア端末ならではの特徴である「ケータイ補償サービス」に 対応することもわかった。
内容はドコモのケータイ補償サービスと同じで、ドコモでケータイ補償サービスを付けて購入した端末をahamoにプラン変更して利用する場合でもそのまま引き継がれる。
ただし、ケータイ補償サービス利用時はすべてオンラインで手続きする必要があるとのことだ。
ahamoはオンライン専用料金プランということで、契約手続きやサポートなどはすべてオンラインのみで完結する(店頭での案内は原則ない)。
ドコモの最新スマホを安価に購入する際の注意も
ahamo公式サイト。
撮影:伊藤有
そして本日(3月1日)午前10時に、それら手続きを行う「ahamoサービスサイト」がオープンした。今後、ahamoの申し込みや各種手続きなどはすべてこのサイトから進める。ほかに、利用者が契約内容を確認したり、データ容量の残量などを確認できる専用アプリも用意される。
ahamoの契約の流れは、新規および乗り換えの場合と、ドコモからのプラン変更の場合とで大きな違いはない。基本的にはahamoサイトで新規契約またはプラン変更の手続きを処理する仕組みだ。
ただ、ドコモが販売している最新スマホを利用したい場合には、
- まずドコモでその機種をドコモギガプラン契約で購入
- その後にahamoサイトでプラン変更
との手順をドコモは推奨する。やや面倒な手続きを踏むことになるが、ドコモの最新スマホは回線契約と同時に購入したほうが、回線契約なしで購入するよりも安価に購入できる場合が多いため、とのことだ。
予約殺到のため「開通を遅らせると3000ポイント追加」の異例措置
先行エントリーに登録した人がahamo契約手続きを4月15日以降に遅らせると、追加3000ポイントが付与される。
出典:NTTドコモahamo記者説明会より
なお、ahamo契約後のおススメ端末やドコモ最新スマホへの機種変更については、2021年6月より対応予定という。
ahamoの先行エントリーには2月28日現在で160万を超える申し込みがあり、ahamoの提供開始となる3月26日直後は、申込み手続きの混雑が予想される。
そこで、「先行エントリーを申し込んだ人がahamoの申し込み手続きを4月15日以降に遅らせる」場合、dポイントを追加で3000ポイント付与する異例の施策も実施する。
当初、先行エントリーを申し込んだ人にはdポイントを3000ポイント進呈することになっていたため、この「遅らせ施策」を受け入れると、合計6000ポイントが付与されることになる。
(文・平澤寿康)