2021年3月25日、CPACの開始に向けてステージを作るスタッフ。
REUTERS/Joe Skipper/File Photo
- ソーシャルメディアのユーザーが、CPAC(保守政治活動協議会)のステージの形がナチの制服に使用されているシンボルに似ていることに気づいた。
- 会議の主催者は、そのデザインに対する「陰謀論」を「言語道断で中傷的」なものとして退けた。
- 会場となったハイアット・ホテルズは「懸念を真剣に受け止め」、そのシンボルは「忌まわしい」ものだと述べた。
ハイアット・ホテルズ(Hyatt Hotels)は、同社のホテルで開催された2021年の保守政治活動協議会(Conservative Political Action Conference:CPAC)のステージが、ナチスの制服に使われたルーン文字に似ていたという指摘を受け、そのシンボルを「忌まわしい」と言った。
CPACは2月25日から28日までフロリダ州オーランドのハイアット・リージェンシーで開催された。
ソーシャルメディア上では、ドナルド・トランプ元大統領などのスピーカーを招いたこのイベントのステージが「オダル・ルーン」の形をしていると指摘があり、そのツイートが拡散している。
CPACのステージの形がオダル・ルーン=SS(ナチス親衛隊)の記章であることに気付いた人はいますか
Insiderが報じたように、このシンボルはナチスの制服に使用され、その後、一部の白人至上主義者によって使われるようになったが、元々は、それ以外の文脈で使用されてきた、何世紀もの歴史を持つものだ。
ロイター通信によると、ハイアット・ホテルズは28日の声明で、「CPAC 2021のステージデザインに件のシンボルが含まれていることについての懸念を、非常に真剣に受け止めている」と述べた。
ハイアットは、ステージのデザインと他のすべてのロジスティックスは、会議を主催するグループであるアメリカ保守連合(American Conservative Union:ACU)によって管理されており、ホテル・グループによるものではないと付け加えている。
ACUのマット・シュラップ(Matt Schlapp)代表は27日、ステージへの批判に対してツイートし、これはデザインに対する「陰謀論」で「言語道断で、中傷的だ」と表現した。
「我々はユダヤ人社会と長く関わってきた」と、彼は述べた。
「キャンセル・カルチャーの過激派は、自分たちの中で反ユダヤ主義に対処するべきだ。CPACは、壇上から発言している人々を含め、ユダヤ人の同盟者を支持している」
デザインに対する陰謀論は、言語道断で、中傷的だ。我々はユダヤ人社会と長く関わってきた。キャンセル・カルチャーの過激派は、自分たちの中で反ユダヤ主義に対処するべきだ。CPACは、壇上から発言している人々を含め、ユダヤ人の同盟者とともに立っている
ガーディアンは、このシンボルが2017年にバージニア州シャーロッツビルで行われた白人至上主義者の集会で見られたと指摘した。
またInsiderは、2008年にドイツで行われ、警察によって摘発されたネオナチの集会の写真にも、このシンボルを発見している。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)