女性初のアメリカ副大統領に就任したカマラ・ハリス。
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- カマラ・ハリスが1月に女性初のアメリカ副大統領に就任した。
- バイデン政権では、ほかにもジャネット・イエレン財務長官とアブリル・ヘインズ国家情報長官が、女性初となる役職に就いている。
- クロエ・ジャオは、アジア人女性として初めてゴールデングローブ賞の監督賞を受賞した。
2021年は早くも、女性にとって画期的な年となっている。
政治、スポーツ、経済、エンターテインメントの分野で、女性たちが「史上初」を達成し、ガラスの天井にさらなる亀裂を入れているのだ。
3月の「女性史月間(Women's History Month)」を記念して、今年すでに歴史に名を残した7人の女性を紹介しよう。
カマラ・ハリスは1月に、女性初のアメリカ副大統領に就任した
副大統領就任の宣誓を行うカマラ・ハリス。2021年1月。
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カマラ・ハリス(Kamala Harris)は、アフリカ・南アジア系女性としてアメリカ史上初の副大統領に就任した。夫のダグ・エムホフ(Doug Emhoff)もまた、史上初のセカンド・ジェントルマンとなった。
ハリスは、2016年に上院議員に当選した際に、アフリカ系女性としてアメリカ史上2人目、南アジア系としては史上初の上院議員となった。ハリス氏が副大統領への就任に伴って上院議員の職を辞したことで、現在、上院議員を務める黒人女性はいない。
過去に、主要政党から副大統領候補になった女性はほかに2人いる。1984年のジェラルディン・フェラーロ(Geraldine Ferraro)と、2008年のサラ・ペイリン(Sarah Palin)だ。
サラ・マクブライドは、トランスジェンダーを公表する人物として初の州上院議員となった
デラウェア州議会のサラ・マクブライド上院議員。
Business Insider
デラウェア州議会の上院議員に就任したことで、サラ・マクブライド(Sarah McBride)は、選挙で選ばれたトランスジェンダーの公職者としてアメリカで最高の地位につくことになった。
デラウェア州クレイモントで行われた宣誓就任式で、マクブライドは次のように述べた。
「今日までの道のりを振り返ると、思い起こすのはその道のりが映し出す変化だ。我々のコミュニティ、そして国家は、絶えることなく自らの心を開き、意識を変えることで、人々をそのアイデンティティではなく、スキルや才能によって判断するようになってきた」
アブリル・ヘインズは、女性初の国家情報長官に就任した
アメリカ下院外交委員会で証言するアブリル・ヘインズ。2020年1月。
Win McNamee/Getty Images
ジョー・バイデン大統領から国家情報長官に指名されたアブリル・ヘインズ(Avril Haines)は、2021年の大統領就任式の日に上院で承認されて、同政権の閣僚第1号となった。
オバマ政権時代にはアメリカ中央情報局(CIA)の副長官、ならびに国家安全保障問題担当の大統領副補佐官を務めたヘインズは、両方の役職を経験した初の女性でもあった。
経済学者のジャネット・イエレンは、アメリカ財務省が1789年に設立されて以来初となる女性長官に就任した
ジャネット・イエレンは、連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めた経験もある。
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ジャネット・イエレン(Janet Yellen)は、バイデン大統領から財務長官に指名され、1月にハリス副大統領の立ち会いの下で就任の宣誓を行った。
イエレンは、連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めた初の女性でもある。また女性初の財務長官というだけでなく、FRB、大統領経済諮問委員会(CEA)、財務省のトップをすべて経験した、男女通じて初の人物となる。
2月には、サラ・トーマスが、女性として初めてNFLスーパーボウルの審判員を務めた
2019年のNFL公式戦で判定を下すサラ・トーマス。
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サラ・トーマス(Sarah Thomas)氏は、100年に及ぶナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の歴史で初となった、専任の女性審判員だ。また、2019年にはNFLプレーオフの試合で女性初の審判を務め、カレッジフットボールの最上位ディビジョンの試合でも初の女性審判員となった。
トーマス氏は2019年、CBSニュースにこう語っている。
「私がいつも言っているのは、何かをするときに、誰かが間違っていることを証明するためではなく、ほかの人から認めてもらおうとしてでもなく、ただ好きだからというのが理由であれば、おそらく自然と評価はついてくるということ」
クロエ・ジャオは、アジア人女性として初めてゴールデングローブ賞の監督賞を受賞した
映画監督のクロエ・ジャオ。2018年撮影。
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クロエ・ジャオ(Chloe Zhao)氏は、映画『ノマドランド(Nomadland)』で監督賞を受賞した。夫を亡くし、自分のバン(小型トラック)を家代わりにして暮らすことにした女性を描くフランシス・マクドーマンド主演の作品だ。
女性がゴールデングローブ賞の監督賞を受賞するのは、1983年に『愛のイエントル』で受賞したバーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)に続いて2人目。アジア人女性としては初の受賞となる。
さらに、2021年のゴールデングローブ賞では、初めて複数の女性が監督賞にノミネートされた。レジーナ・キング(Regina King)は、1960年代を舞台にした『あの夜、マイアミで』で候補となり、エメラルド・フェネル(Emerald Fennell)は『プロミシング・ヤング・ウーマン』で候補となった。
3月には、世界貿易機関(WTO)が1995年に設立されて以来、初の女性かつ初のアフリカ人の事務局長として、ンゴジ・オコンジョ・イウェアラが就任した
WTO事務局長のンゴジ・オコンジョ・イウェアラ。2021年2月15日撮影。
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ナイジェリア出身でアメリカ国籍も持つ経済学者、ンゴジ・オコンジョ・イウェアラ(Ngozi Okonjo-Iweala)事務局長は、ナイジェリアの財務大臣と外務大臣を歴任してきた。同国で両方の役職に就任した初の女性でもある。
[原文:7 times women made history in 2021]
(翻訳:高橋朋子/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)