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- 招待制の写真アプリ「Dispo(ディスポ)」の人気が高まっている。
- アクシオス(Axios)によると、このアプリの価値は2億ドル(約218億円)だという。
- アプリを作ったデビッド・ドブリック(David Dobrik)氏は、ユーザーには写真を撮る時にもっと本格的な体験をしてもらいたいと考えている。
ここ10年、写真アプリの世界はインスタグラム(Instagram)が支配してきた。ただ、ここへ来て、新たなライバルが出現したのかもしれない。
招待制の写真アプリ「Dispo(ディスポ)」は、使い捨てカメラを"デジタル"で模倣することで、ユーザーにより本格的な写真撮影体験を提供するアプリだ。
2月のローンチ以来、このアプリは大きな話題となっていて、Entrepreneurの報道によると、App Storeの最もダウンロードされたアプリで4位となった。
アクシオス(Axios)によると、その価値は2億ドルだという。
シンプルなコンセプトが、Googleフォトといった他の競合アプリから抜きん出る助けになっているとCNBCは報じた。
CNBCの報道にもあるように、ユーザーは好きなだけたくさんの写真を撮ることができるが、インスタグラムと違い、フィルターやステッカー、テキストを使って写真を編集することはできず、「現像」されるまですぐに写真にアクセスすることもできない。写真にアクセスできるのは翌朝9時だ。
また、Dispoのユーザーは自分の写真を自分のRollに投稿するか、他のユーザーと「共有された」Rollに投稿するかを選ぶことが可能だ。
目の前の体験を十分楽しみつつも、一時的な満足で終わらせないところがポイントだ。BuzzFeedによると、これがDispoを「反インスタグラム」にしている。
Entrepreneurの取材に応じたDispoのユーザー、テリー・オニールさんは「インスタグラムは全ての人を一般的なカメラマンに変えました。Dispoはユーザーを、目的を持ったカメラマンにします。そこにコミュニティーが構築されるんです。誰もが同じものを、自分のレンズを通じて探しています」と話している。
人気YouTuberで、Dispoを作ったデビッド・ドブリック氏はニューヨーク・タイムズの最近のインタビューで、なぜオプションを意図的に制限したのかを語っている。
「友達とパーティーに行っていた頃、彼らは家のあらゆる場所に使い捨てカメラを置いて、皆に写真を撮るよう声をかけていたんだ。翌朝、彼らは全てのカメラを集めて、写真を見返し、『昨日の夜、何があったんだ?』と言ったんだ」
ここ数カ月、招待制アプリが急速に増えている。招待制の音声アプリ「Clubhouse(クラブハウス)」もその1つで、ソーシャルメディアの状況を大きく変えた。Clubhouseはユーザーが"ホスト"に出会い、聞きたいものを選び、状況によってはベンチャーキャピタリストや有名人、ジャーナリストなどのコミュニティー内の会話に加わることのできる空間を作った。
(翻訳、編集:山口佳美)