2020年3月23日、ニューヨーク。
REUTERS/Carlo Allegri
- ギャップ(Gap)のCEOは、新型コロナウイルスのパンデミックによる孤立から人々が抜け出すにつれ、「ピーコッキング効果」が生じるだろうと語った。
- 消費者が周囲に良い印象を与えるために服を買うことで、売り上げが伸びると同社は見込んでいると、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じた。
- ギャップは、2023年末までに「ギャップ」と「バナナ・リパブリック」約350店舗を閉めると発表している。
ワクチン接種が進む中、ギャップは早く平常が戻ることを強く願っている。
ギャップのCEOソニア・シンガル(Sonia Syngal)氏は、数カ月にわたって人と人との交流が減った後、消費者が周囲に良い印象を与えるために服を買うことで、売り上げが伸びると見込んでいると言う。
「わたしたちは楽観的です」とシンガル氏はウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで語った。
「コロナから人々が抜け出すにつれ、ピーコッキング効果が生じるだろうと考えています」
ギャップがシンガル氏をCEOに指名したのは2020年3月、前任のアート・ペック(Art Peck)氏が突然退任した数カ月後のことだ。ペック氏は、ショッピングモールの客足が減ったことで、2019年に売り上げが落ち込んだ後、ギャップを去った。
オールドネイビーのCEOだったシンガル氏は、ギャップの6000万人の顧客基盤に投資することで会社を成長させるつもりだと話していた。
ところが、シンガル氏の就任直後、新型コロナウイルスのパンデミックが状況を一変させた。多くの消費者がショッピングモールを避け、オンラインショッピングに時間を費やすようになり、ギャップは2023年末までに北米の「ギャップ」と「バナナリパブリック」約350店舗 —— 全店舗数の30% —— を閉めると発表した。
シンガル氏は、ホリデーシーズンのオンラインショッピングが一部損失を埋め合わせる助けになったと、ウォール・ストリート・ジャーナルに語った。2019年には全体の売り上げの25%を占めていたオンラインでの売り上げが、2020年には45%まで伸びたと同社は報告している。
アメリカでワクチン接種が普及するにつれ、同社はコロナ禍で店舗を「より安全に」するために使う費用も減らしていくとシンガル氏は付け加えた。
米食品医薬品局(FDA)がジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したワクチンの緊急使用許可を勧告したすぐ後、バイデン大統領は5月末までにアメリカの全ての成人の接種分を確保できる見通しだと語った。疾病予防管理センター(CDC)は8日、ワクチンを接種した人が安全にできる活動 —— 屋内での少人数の集まりなど —— に関するガイドラインを初めて公表した。
一部の小売業者は、人々がワクチンを接種した後、出歩くようになるにつれ、消費者が新しい服にお金をかけるようになるだろうと見込んでいる。メンズウェアの「スーツサプライ(Suitsupply)」は、裸のモデルたちがキスをしている写真に「ニューノーマルがやってくる」というタイトルを付けた広告を出している。
「パンデミック後の生活が見え始めています」とスーツサプライの創業者でCEOのフォッケ・デ・ヨング(Fokke de Jong)氏はInsiderに語った。
「この広告キャンペーンは、人々が再び集まり、接近できるわたしたちの未来に対する前向きな見通しを示したものです」
(翻訳、編集:山口佳美)