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東京タワーサイズの小惑星が地球付近を通過…次にやってくる8年後は肉眼で見える距離に

地球の近くを通過する小惑星の想像図。

地球の近くを通過する小惑星の想像図。

Peter Carril/ESA

  • 古代エジプトの混沌の神に因んでアポフィスと名付けられた小惑星が、3月6日、地球の近くを通過した。
  • この天体は幅約300メートル以上で、エッフェル塔や東京タワーと同じくらいだ。
  • 次に接近する2029年には、その進路が地球の軌道上の高高度衛星と交差する可能性がある。

東京タワーほどの大きさの小惑星が地球に接近した。

この天体は古代エジプトの混沌の神にちなんで99942アポフィスと名付けられている。その大きさは東京タワーの高さ(333メートル)に相当するという。

3月6日、その小惑星が地球の表面から約1670万kmまで接近した。これは地球と月の距離の約44倍だ。しかし、アポフィスが次に接近する2029年4月13日には、小惑星は地球から3万km以内、つまり地球と月の間を通る。NASAによると、これは、アポフィスほどの大きさの小惑星では、科学者が事前にわかっているものの中で最も近い距離で、地球を周回する通信衛星と衝突する可能性があるほどだという。

下のアニメーションは、8年後のアポフィスの軌道を示している。 青い点は高軌道(3万5786kmより高いところ)を回る衛星で、ピンクは国際宇宙ステーションだ。

アポフィスの帰還への準備

アポフィスは今回、肉眼では見えない。それを見るには、少なくとも直径30センチの望遠鏡が必要だ。

2004年にこの小惑星が発見されたときは話題になった。天文学者たちがわずかながら地球に衝突する可能性があると計算していたからだ。しかし、NASAの科学者たちはその後、その値を修正していった

「2029年の接近で地球に衝突する可能性がないことは以前から知られていた」と、アポフィスの発見に貢献したハワイ大学天文学研究所の研究者、デイブ・ソーレン(Dave Tholen)は2020年10月に述べている

小惑星が地球に近づくたびに、天文学者たちにとっては、宇宙の岩石を研究し、その形や回転について知る機会になる。

科学者がアポフィスを初めて発見したのは2004年の6月で、天候や技術的な問題が立ちはだかる前に、わずか2日間で調査を行った。そのため表面の画像は存在しない。今回と2029年の接近は、科学者がアポフィスの構造を調査するのに役立つだろう。

「2029年のアポフィスの接近は科学にとって、すばらしいチャンスになるだろう」と、NASAのジェット推進研究所のレーダー科学者、マリーナ・ブロゾビッチ(Marina Brozovic)は2019年に述べている

「光学望遠鏡とレーダー望遠鏡で小惑星を観測する。レーダー観測では、数メートル単位で表面の詳細が観測できるかもしれない」

2029年の接近では、アポフィスは肉眼でも地球を東から西へと速く移動する光の点として見えるだろう。

下のNASAのアニメーションは、2029年4月13日のアポフィスの進路を示している。

アポフィスは2068年、38万分の1の確率で地球に衝突する

アポフィスは、火星と木星の間の小惑星帯に由来する天体だ。これまでのところ、珪酸塩の岩石、ニッケル、鉄で構成されていることがわかっている。そして、レーダー画像では、アポフィスはピーナッツのような形に見える。

2029年の後、アポフィスは2036年と2068年に再び地球に接近する。2036年には衝突の可能性はないが、NASAの計算では2068年にアポフィスが地球に衝突する可能性は38万分の1だ。

2020年まで、天文学者たちはアポフィスが2068年に地球に衝突することはないと考えていたが、ソーレンのチームがアメリカ天文学会の年次総会で新しい研究を発表したことで状況は変わった。小惑星が時間の経過とともに速度と方向を変化させていることを示したのだ。

小惑星ベスタ。

小惑星ベスタ。

NASA

これらの変化は、ヤルコフスキー効果として知られるプロセスから生じる。小惑星は太陽からエネルギーを吸収するため、エネルギーを熱として放射するときに軌道がわずかに変化するのだ。最近の調査で、これがアポフィスに起こっていることがわかった。

アポフィスの軌道は年間約170メートルずれているとトーレンは語った。これは「2068年に衝突するというシナリオを実行するのに十分なもの」だという。

[原文:An Eiffel Tower-sized asteroid is about to whiz by Earth. When it returns in 8 years, it could cross paths with our satellites.

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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