スターバックスのドライブスルー。
Photo by Jason Whitman/NurPhoto via Getty Images
- スターバックスとチックフィレイは、ビデオ注文を採用しており、従業員はタブレットで対応する。
- アナリストは、最新技術がドライブスルーの待ち時間短縮の鍵になると述べている。
- ファストフード企業にとってのドライブスルーの重要性は増している。
スターバックス(Starbucks)とチックフィレイ(Chick-fil-A)はともにドライブスルーに大きく依存しており、注文をとるためにビデオ技術とタブレットを駆使している。
アメリカのファストフードとファストカジュアルのブランドにとって、ドライブスルーは、2020年から続くCOVID-19の時代に欠かせない存在になっており、それを最大限に活用してきた。パンデミックで多くの飲食店が閉鎖されて以降、アメリカ中のファストフード店でドライブスルーでの注文が伸びている。
マクドナルド(McDonald)は世界中の2万5000店舗でドライブスルーを展開しており、多いところでは売り上げの70%がドライブスルーからの注文だと言う。サラダのチェーン店、スイートグリーン(Sweetgreen)でさえ、このトレンドに乗っている。
スターバックスとチックフィレイの2社は、ドライブスルーの最大手であり、どちらも同じような戦略を取っている。
スターバックスは、2021年第1四半期、ドライブスルーや持ち帰りの売り上げが80%を占めているとInsiderに語っており、パンデミック前より10%以上増加したことになる。業界全体でドライブスルーの利用が増加しているのは、「店を利用する安全な方法」とみなされているからだと、カリノフスキー・エクイティ・リサーチ(Kalinowski Equity Research)の創業者、マーク・カリノフスキー(Mark Kalinowski)はInsiderに語った。
スターバックスのバリスタは、約3800店舗に導入したというデジタル・ドライブスルー・スクリーンを通して、注文を受ける。同社は2015年からこのシステムを導入し始め、「Deep Brew」を呼ぶAIを使って、その日の天気や時間帯に合った飲み物やフードメニューを勧めている。
ビデオ注文は、バリスタと顧客の個人的なつながりを促進する手段だと、同社の広報担当者はInsiderに述べた。また、スターバックスはバリスタが注文を入力するハンドヘルド・デバイスを導入している。同社によると、このシステムは現在500店舗で展開されていて、最初に導入されたのは2020年の夏だった。
スターバックスのバリスタがビデオ画面で注文を受ける。
Mary Meisenzahl/Insider
バリスタと顧客が対面することは確かに重要なことだが、最新のドライブスルー技術の第一の利点は待ち時間を短縮できることだとカリノフスキーは指摘している。「従来のドライブスルーでは、注文を受けられる場所は1カ所しかない。モバイルによる注文に比べて、これが大きなボトルネックになっている」と、彼はInsiderに語った。
チックフィレイは、ボトルネックを作らないやり方を導入した事例としてよく知られている。同社のドライブスルーで注目を集めているのは、iPadを携えた従業員が、注文窓口に着く前に車から注文を受ける方法を取っているからだ。同社では、注文と受け取りは決まった場所ではなく、ゾーンで行っている。
TikTok/jillianooo
チックフィレイは、設置したタブレットによるバーチャル注文も始めている。これは従業員を注文を取るために外に出ることを応用したものだと、同社はInsiderに語った。
「これによって、従業員は店内に留まりながら、顧客に笑顔のあるフレンドリーなサービスを提供できる」
同社のドライブスルーは、渋滞を引き起こし、法的な問題が生じるほど混雑している店舗もある。そのため、ドライブスルーレーンを2つにするなど、対策を講じる予定だという。スターバックスでも、2レーンの店舗、ドライブスルー専門店、ドライブスルーとカーブサイドピックアップを併設した店舗など、ドライブスルーについての新しい計画を準備中だという。
ファストフードレストランは「過去12カ月で、パンデミックがなければ決してテストしなかったかもしれないことから多くのことを学んだ」と、 カリノフスキーは言う。
「彼らは今も学んでいる最中であり、サービスはよりよいものになっていくだろう」
[原文:Starbucks and Chick-fil-A are pioneering the future of drive-thru ordering]
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)