48歳の男性も…… コロナ禍の韓国で配達員の過労死が相次いでいる

配送トラック

ソウルにある配送センターを出発するクーパンの配送トラック(2018年6月21日、韓国)。

REUTERS/Josh Smith

  • 韓国では、配達員の過労死が相次いでいる。
  • 直近では48歳の男性が命を落とした。男性は深夜のシフトを終えた後、ソウルにある安価な宿泊施設で死亡しているのが見つかった。
  • 宅配便業者たちを代表する労働者団体によると、パンデミックが始まって以来、こうした死亡者が報告されたのはこの男性で17人目だという。

韓国のソウルで、配達員の男性が死亡した。働き過ぎがその原因と見られると、ソウルの労働者団体は報告している。

韓国の聯合ニュースは、「リーさん」と呼ばれていた48歳の男性が先週末、自身が借りていた安価な宿泊施設「コシウォン」で死亡しているのが見つかったと報じた。

男性はeコマース大手クーパンの契約労働者として働くために、南部の昌原にある自宅を後にし、首都ソウルに出てきた。

男性の妻が6日、夫と連絡がつかないと警察に通報し、警察が借りている部屋で死亡している男性を発見した。

宅配便業者たちを代表する労働者団体の担当者は、リーさんが「しばしば妻に深夜の仕事が大変だと話していた」と明かした。

リーさんの月収は最低賃金をやや上回る2480ドル(約27万円)ほどだったと、労働者団体の担当者は聯合ニュースに語った。リーさんのような配達員は、1日に13~16時間働いていることが多いと担当者は付け加えた。

リーさんの死 —— コロナ禍の韓国でこのような死亡者が報告されるのは17人目だ —— は"デリバリー経済"と、手に負えないほど増加した宅配便をさばくためにスタッフが強いられる過酷な長時間労働という国際的な問題を浮き彫りにしている。

死亡した17人の労働者の大半は過労死だが、1人は仕事が辛いとメモを残して自殺したと、ロイターは報じている。

リーさんが当時働いていたクーパンは上場に向け、評価額500億ドルを目指している。ただ、フィナンシャル・タイムズによると、8人もの従業員が死亡し、その死因を労働者団体が働き過ぎに関連していると指摘する中、この見通しは陰りを見せているという。

Insiderはクーパンにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

権利を求めて戦う下請けの自営業者たち

新型コロナウイルスのパンデミックは、韓国のオンライン注文を急増させた。食料品や日用品を購入するのに、人々がeコマースを利用するようになったからだ。韓国の政府データによると、2020年の2~10月の小包の発送量は2019年の2~10月より23%増えたという。

こうした中、韓国の配送市場の64%を占める大手2社は大きな恩恵を受けている。CJロジスティクスは2020年の前半の利益が21%増え、韓進トランスポーテーションは35%増えた。

しかし、その恩恵は配達員には届いていない。ロイターによると、自分たちは「命に関わる」法的な盲点に陥っていると彼らは話している。

韓国の5万4000人の配達員のほとんどは"下請け業者"として雇われていて、自営業に分類されるため、週の労働時間の上限といった一般的な従業員が享受する基本的な保護が受けられないことが多い。労働者団体は、この"抜け穴"のせいで配達員が長時間の、持続不可能な過酷な労働 —— 最低賃金を稼ぐこともできず、残業代が支払われることもない —— を強いられていると指摘する。

2020年11月には、韓国で不満を募らせた、疲れ切った配達員たちが「クワローシャ」 —— 過労による突然死、心不全や脳卒中を起こすことが多い —— で命を落とした14人の配達員の死に抗議する労働者団体のデモに参加したとBBCが報じていた。

[原文:Exhaustion, punishing hours, and few job protections have led to the deaths of 17 delivery workers in South Korea

(翻訳、編集:山口佳美)

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