スペースXのイーロン・マスクCEO。
Susan Walsh/Associated Press
- イーロン・マスクは、船舶、飛行機、トラックなどの移動体にスターリンクのインターネット接続を提供しようとしている。
- スペースXは、スターリンクを自動車向けに拡大できるようにFCCに申請書類を提出した。
- 衛星からアンテナを介して車両や船舶などにインターネット接続を提供する計画だ。
スペースX(SpaceX)はアメリカ連邦通信委員会(FCC)に対して、航空機、船舶、大型トラックなどの移動体に対して衛星インターネットサービス「スターリンク(Starlink)」を提供する許可申請を提出した。
スターリンクは現在、1122基の低軌道衛星を使って僻地など十分なサービスが行き渡っていない地域にブロードバンド回線を提供している。スターリンクの接続キットの価格は499ドルで、月額利用料は99ドルだ。同社は現在、車両や船舶、航空機に搭載可能で、既存のユーザー端末と同レベルのアンテナを開発することを計画しているという。
スペースXのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOは3月8日(現地時間)のツイートで、テスラの車とスターリンクは接続できない、なぜならアンテナが「大きすぎる」からだと述べた。
「それは、航空機や船舶、大型トラックやキャンピングカーのためのものだ」
スペースXの衛星担当ディレクター、デビッド・ゴールドマン(David Goldman)は申請書の中で、移動体へのサービスは「公共の利益に貢献する」とし、「事業者や乗客が、生産性を向上できるサービスにアクセスできるようになる」と述べている。
「世界中のネットワークを流れるトラフィックの量は爆発的に増えた」とゴールドマンは述べている。
「ユーザーは移動中だからといってネット接続をあきらめることはなくなった」
CNBCの報道によると、スペースXは2020年、海上に着陸したロケットの回収に使用する船でスターリンクをテストする許可をFCCに求めた。しかし、今回の申請は事業用の「包括的な許可」を得るのためのものだ。
「Better Than Nothing(何もないよりはまし)」と呼ぶベータ版サービスを2020年10月に開始されて以来、6カ国、1万人以上のユーザーを獲得している。2月初めには、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコと、まだサービスを提供していないアメリカ国内の一部地域で予約受付を開始した。
最近のスターリンク衛星の打ち上げは3月4日に行われ、スペースXのファルコン(Falcon)9ロケットが60基の衛星を軌道に乗せた。同社は2027年半ばまでに最大で4万2000基の衛星を軌道に乗せることを目指している。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)