2020年は「ホロライブ」にとって成長と同時に、試練が続いた年だった。
一つは権利関係による問題だ。所属するVTuberによるゲーム実況配信で、権利者に配信許諾を得ていなかった事例が発覚した。
海外にも事業が広がったことで、新たな火種も生まれた。所属するVTuberが「YouTube」の配信で紹介した国別のデータに「台湾」の項目があり、これが中国国内で批判され、“炎上”した。
故意によるものではなかったが、中国にも多くのファンを持つことから反発を受けた。
当該VTuberは謹慎処分となったが、日本国内では一部ファンから謹慎処分に反対する声もあがり、”炎上”が逆輸入されるかたちに。bilibiliで配信していた「ホロライブ中国」のVTuberは「卒業」に至った。
国境を超えてファンが広がることは、意図せず国際問題や政治問題に抵触することも起こりうる。そうしたリスクが現実となった。
もはやVTuberの影響力は、いちタレントを超えた影響力を持つまでになっている。谷郷はいま、「カバーという会社が、そしてVTuberが、いかに社会の公器となり得るか」という問いと向き合っている。