- カーズナー・インターナショナル(Kerzner International)は、フィットネスにフォーカスした新しいホテルブランド「Siro(サイロ)」を発表した。
- 最初のSiroホテルは2023年、モンテネグロにオープンする予定だ。
- ここ数年、"ウェルネス観光"が伸びている。
"ウェルネス観光"が着実に成長する中、フィットネスを中心とした新しいホテルブランド「Siro」が2023年に最初のホテルをオープンすると発表した。
"健康に重点を置いたホテル"は新しいコンセプトではないが、その人気は確実に高まってきている。Global Wellness Instituteの2018年のデータによると、ウェルネス観光の分野は2022年にかけて毎年7.5%の成長が見込まれているという。2015年から2017年で、ウェルネス観光は一般的な観光の2倍の速さで成長した。
そして今、「ワン&オンリー」「アトランティス・リゾート&レジデンス」といったホテルチェーンを運営するカーズナー・インターナショナルは、この成長著しい分野に「フィットネスとウェルビーイング」にフォーカスしたホテルブランド「Siro」で参入しようとしている。「Siro」は「Strength(強さ)」「Inclusive(包括的)」「Reflection(内省)」「Original(オリジナル)」の頭文字を取ったものだ。
「わたしたちはホリスティックな健康がこれまでにないほど重要になっていると認識しており、Siroの最大の関心事は現代的でバランスの取れた、グローバルなライフスタイルを支える類を見ないフィットネスとウェルネスです」とカーズナー・インターナショナルのCEOフィリップ・ズーバー(Philippe Zuber)氏はプレスリリースでコメントした。
「Siroが世界中の主要都市の一部になることを楽しみにしています」
ブルームバーグのインタビューでズーバー氏は、Siroの競合として「Equinox(エクイノックス)」を挙げた —— Equinoxは現在、ニューヨーク市にあり、今後はアメリカ各地に拡大する計画だ。
これに対し、Siroはフィットネスを重視したさまざまなアクティビティーを提供するという。配信もしくは対面のフィットネス・クラスや屋外活動(山登り、カイトサーフィン、パルクールなどホテルの場所によって異なる)などがこれに含まれる。
他にも、プールやジム、メディテーションやヨガのためのスペースを備えたフィットネスクラブがそれぞれのホテルにあり、ワークアウトの後には「リカバリーラボ」と呼ばれる、マッサージやメディテーション教室といったサービスが受けられるスパを利用できるという。
ただ、運動だけが"健康"ではない。栄養士やシェフは宿泊客のクリーンでローカルな食事を支え、食に関する授業も行うという。
2023年にポルト・モンテネグロにオープン予定の最初のSiroホテルは、地中海というロケーションを生かして、レベルに応じたセーリングやサイクリングといったアクティビティーを提供する。また、冬でも泳げるように、プールは温度調整されているという。
屋内のワークアウトを好む人も心配はいらない。モンテネグロのホテルには、広さ1万平方フィート(約930平方メートル)のジムと広さ4000平方フィート(約370平方メートル)のリカバリーラボがあると、ブルームバーグが報じている。クライオセラピーを受けたり、赤外線サウナが利用できるスパもあるという。
そして、"フィットネス"はジムやスパだけにとどまらない。客室にもフィットネス装置が用意されているため、宿泊客はベッドのすぐ近くでワークアウトすることもできるという。
とはいえ、小さなプライベートジムでもない。Siroによると、客室は防音、スチームシャワー、スマートテックを通じて、安らぎ感を得られるようデザインされているという。
新しいホテルブランドの立ち上げに向けては、「フィットネスとウェルネスについて」アドバイスしてもらう、アスリートたちで構成される「チームSiro」も作った。イギリスの競泳選手でオリンピックのゴールドメダリスト、アダム・ピーティー選手らが参加しているという。
宿泊料はホテルの場所によって異なるが、1泊400ドル弱~になるだろうと、広報担当者はInsiderに語った。
(翻訳、編集:山口佳美)