Justin Sun/Twitter
- クリスティーズで落札された6900万ドルのNFTアートの買い手は、暗号の天才、ジャスティン・サンだった。
- サンは、460万ドルを払ってバフェットとランチをしたことで有名になった。
- この暗号技術者は、暗号通貨会社TRONとRainberryの創設者でもある。
クリスティーズのオークションで、デジタルアート作品を6900万ドル(約75億円)で落札したのは、暗号の天才、ジャスティン・サン(Justin Sun)だった。
かつてウォーレン・バフェット(Warren Buffett)との昼食会に460万ドル(約5億円)を支払ったこともあるサンは、「Everydays: The First 5000 Days」と名付けられたデジタルアート作品に6025万ドル(約66億円)を値を付けた。手数料を含めると、このデジタルアート作品の購入金額は6930万ドル(約75億4000万円)になる。
サンは、デジタル作品の代金と手数料を、暗号通貨のイーサリアムで支払ったと言われている。
「Everydays: The First 5000 Days」は、ビープル(Beeple)として知られるデジタルアーティストのマイク・ウィンクルマン(Mike Winkelmann)によって制作された。
この作品は、ビープルが2013年以来制作してきたすべての画像をモザイク状に並べたもので、ブロックチェーン技術を使ったデジタル証明書として機能するNTF(Non-Fungible Token)と接続されている。
暗号通貨企業TRONとRainberry(以前はビットトレント:BitTorrentとして知られていた)の創業者であるサンは、ウォーレン・バフェットとランチをともにするために460万ドルを支払い、その後、この昼食会を半年以上延期したことでメディアの注目を集めた。
サンはまた、グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんの気候変動に対するキャンペーンを支援するために100万ドルを寄付すると約束し、2020年中に100人に120万ドルを配ると述べたことでも、注目を集めた。
この30歳の暗号界のボスは、Redditが盛り上がっていた頃にゲームストップ(GameStop)株に1000万ドルを投資したこともある。
今回、サンは史上最大のNFTの購入を行ったことで、再び注目を浴びることになった。サンの購入額はあまりにも高額で、2020年にこの作品の価格を超えた物理的なアート作品は2つしかない。
ArtNetによると、ウービン(Wu Bin)の「Ten Views of a Lingbi Rock」は7660万ドル(約83億円)、フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の「Triptych Inspired by the Oresteia of Aeschylus」が8460万ドル(約92億円)で落札されている。
また、NFTは、2020年のクリスティーズで競売にかけられたどの作品よりも高い価格になった。この金額に最も近い作品は、ロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)の「Nude With Joyous Painting」で、4620万ドル(約50億円)だった。
今回の「Everydays: The First 5000 Days」の事例は、NFT市場が爆発的に拡大していることを示している。実際、BNPパリバの子会社であるNonFungible.comの調査によると、2020年のNFT市場は前年比299%増の2億5000万ドル(約272億円)以上に成長している。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)