スクエアはコンパクトな決済端末「Square Terminal」の日本販売を開始した。
撮影:小林優多郎
デジタル決済企業のSquare(スクエア)は3月16日、決済端末とレジ(POS)機能、プリンターがセットになった「Square Terminal」の日本での販売開始を発表した。
日本での直販価格は4万6980円(税込)。アメリカでは2018年10月に発表、299ドル(約3万3000円)で販売されている。日本版とアメリカ版の主な違いは、Suicaなどのタッチ方式の電子マネーに対応している点になる。
1台で注文から決済、レシート印刷までこなせる
IC付きカードの場合は下側面から挿入。磁気を利用する場合は右側面でスワイプ。EMVコンタクトレスや電子マネーなどのタッチ決済の場合は、画面中央にタッチする。
撮影:小林優多郎
Square Terminalは、5.5インチのタッチディスプレイを搭載。本体にクレジットカード(磁気、IC、EMVコンタクトレス)とSuica/PASMOなどの交通系IC、QUICPay+、iDの決済機能、感熱式プリンターを備える。
従来、SquareはPOSアプリを入れたスマホやタブレットを中心に、必要に応じて決済端末やプリンターなどを別途購入し、Bluetoothなどで接続して利用する形式が一般的。
写真左からSquare Terminal、Square Reader(Dock付き)。
撮影:小林優多郎
Square Terminalでは、それらが1つにまとまった格好だ。
費用面でも優位性はある。通常は決済端末の「Square Reader」が7980円、小型のモバイルプリンターがやや幅があるが、1万円台後半〜5万円台もかかる。
そして、アプリを入れるタブレットやスマホの値段も加味すれば、4万6980円というSquare Terminalの価格はかなりお買い得に見える(いずれも税込み)。
Squareとしては“PIN入力”に日本で初対応
Square TerminalはAndroidベースのOS上で動作しているが、Squareの機能しか利用できない。また、Android版Square POSとは異なる頻度でアップデートが提供される。
撮影:小林優多郎
機能面は基本的にSquareアプリで提供されているものが使える。外観や操作性はAndroid版Square POSレジアプリと同等。
ただし、従来の決済端末と1点重要な違いがある。それは、スクエアとしては日本で初めてPIN(4桁の暗証番号)入力に対応している点だ。
日本で、PIN入力で決済ができるのはSquare製品の中ではTerminalが初。業界的に見ても、デジタル方式でPINを入力できる珍しい国内例となる。
撮影:小林優多郎
従来、Squareでは画面での手書きのサイン入力のみの対応だった。クレジットカード会社によって条件は異なるが、Terminal利用時、PIN入力で決済が完了する。
なお、金額などにもよるが、従来通り電子マネーやEMVコンタクトレスなどのいわゆるタッチ式の決済ではサイン・PINが不要だ。
据え置きを意識した形状ではあるためやや持ちづらいが、重さと大きさ、機能的にはハンディー端末としても使える。
撮影:小林優多郎
SquareはいわゆるmPOS(モバイルPOS)の中でも、加盟店審査が早く、導入にかかる時間的なコストが低いのが特徴だが、Square Terminalの上陸によりさらに強化される。
片手で握れるサイズ感で、重量は417グラム(公称値)。本体にはバッテリーを内蔵しており、スクエア広報によると通常利用では「1日持続する」程度。
そのため、設置スペースなどの都合で置けない店舗や、テーブル会計などのハンディー端末として利用したい業種にも、今後展開が期待される。
(文、撮影・小林優多郎)