2021年3月15日、北京の朝の通勤時間帯に歩道橋を歩く女性。
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- 北京が巨大な砂嵐に襲われ、黄色くなった街の写真が公開されている。
- 中国気象局は、この10年間で最大規模の砂嵐だと述べた。
- 大気汚染レベルは危険なほど高く、多くの航空機のフライトがキャンセルされている。
中国の首都、北京は2021年3月15日、大規模な砂嵐に覆われて黄色いもやに包まれ、広い範囲で混乱が生じ、大気汚染レベルも急上昇している。
写真を見ると、風で砂が舞い上がり、街が黄色く光り、建物が見えなくなっている。
北京市内の道路。2021年3月15日。
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中国気象局の発表によると、砂嵐は内モンゴルを襲った後、北京や河北省などの中国北部に到達したという。
ロイター通信によると、砂はモンゴルのゴビ砂漠からやってきているという。
北京市内の道路。2021年3月15日。
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大気汚染度指標は、3月15日の北京市を「危険」の999と判定した。これは、「誰もが深刻な健康被害を経験する可能性がある」ことを意味し、「すべての人は屋外での活動を避けるべきである」ことを示している。
ちなみに同日、日本の東京は「良好」の42、イギリスのロンドンは「良好」の30、ニューヨークのマンハッタンは「中程度」の51となっている。
また、砂嵐の影響で、北京を発着する一部の航空便が欠航した。ロイター通信によると、15日正午の時点で、北京首都国際空港と北京大興国際空港を発着する約5分の1の便が欠航になっている。
中国中央電視台(CCTV)の建物の前に立つフェイスマスクを着用した女性。2021年3月15日、北京は汚染された空気と砂嵐に見舞われた。
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北京に住むフローラ・ゾウ(Flora Zou)さんはロイター通信に対し、「世界の終わりのようだ」と語った。「このような天気のときは本当に外に出たくない」と彼女は言った。
このような砂嵐は通常、毎年この時期に発生する。しかし、中国気象局は今回のものは最近10年で最悪だと述べたとロイターは報じている。
北京市内の道路。2021年3月15日。
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ガーディアンによると、大気汚染粒子であるPM2.5のレベルは、市内の一部の地域で600マイクログラムを超えていたという。
この粒子は肺に入る可能性があり、世界保健機関(WHO)は1日の平均濃度が25マイクログラム以下であることを推奨している。
WHOは、この粒子が「肺を通り抜けて血管に入る可能性がある」としていて、「これらの粒子への慢性的な暴露は、心血管疾患や呼吸器疾患、さらには肺がんの発症リスクがある」としている。
ロイター通信は、中国での森林伐採が土壌浸食を助長し、砂嵐などの現象を悪化させていると指摘している。
中国は、この土壌侵食を遅らせ、近隣の砂漠から飛来する砂や塵を閉じ込めるために、植林を進めている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)