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ウーバー、イギリスのドライバー7万人を「労働者」と認める…最低賃金を保証、有給休暇も付与

ライドシェアドライバーのテレサ・メルカードさんが拳を上げて訴える。2020年10月8日、配車サービスのギグワーカーが、ロサンゼルス市庁舎前の道路を車で塞ぎ、デモを行った。

ライドシェアドライバーのテレサ・メルカードさんが拳を上げて訴えている。2020年10月8日、配車サービスのギグワーカーが、ロサンゼルス市庁舎前の道路を車で塞ぎ、デモを行った。

Al Seib/Los Angeles Times/Getty Images

  • ウーバーは、イギリスのドライバーを「労働者」として扱うことを、当局に申し出た
  • これにより、ウーバーは最低賃金以上の報酬、有給休暇の付与など、労働法規に従うことが求められる。
  • ウーバーは、ドライバーを従業員として扱うことに強く反対しているが、イギリスでの訴訟で敗れたことを受け、方針転換を迫られている。

ウーバー(Uber)は3月16日、イギリスのドライバーを「労働者」として位置づけ、最低賃金、有給休暇、年金、その他同国の労働法規に基づく待遇を保証すると発表した。

ウーバーはInsiderに、この動きはドライバーを労働者として扱うべきだとした最高裁の判決を受けたもので、7万人以上のドライバーが対象になると述べた。

ウーバーは当初、この判決を軽視し、「2016年にウーバーのアプリを使っていた少数のドライバーが対象だ」としていたが、判決の後、ウーバーの株は2%下落した。

今回の発表でウーバーは、個々のドライバーと判決の対象となるかどうかを争うのではなく、すべてのイギリスのドライバーを労働者として扱うことを選択した。

「ウーバーは大きなこの業界のごく一部に過ぎない。我々の日常生活に欠かせない重要な労働者たちの仕事の質を向上させるために、他のすべての事業者が我々に同意してくれることを願っている」と同社の北欧・東欧の地域統括マネージャーであるジェイミー・ヘイウッド(Jamie Heywood)は、Insiderに述べた。

今回の動きは、ウーバーにとって大きな転換点となった。ウーバーはこれまで、アメリカの裁判所や規制当局がドライバーを「請負業者」ではなく「従業員」と判断した場合、積極的に争ってきた。カリフォルニア州では、ウーバーは少なくとも3000万ドルを投じて有権者を説得して「プロポジション22」を可決させた。これはライドシェアやフードデリバリーのドライバーを請負業者として扱い、州の労働法から除外することを明確に定めた法律だ。

労働者を「従業員」あるいは「請負業者」と定義しているアメリカの法律とは異なり、イギリスの法律には、最低賃金、有給休暇、休憩、違法な差別に対する保護、内部告発者の保護、賃金搾取に対する保護を受ける権利を有する「労働者」というカテゴリーがある。このカテゴリーは、育児休業や退職金など、正規の従業員が受けられる待遇を保証するものではない。

ウーバーによると、イギリスの最低賃金は、距離当たりの経費を考慮すると「利益が出るかどうかぎりぎり」だというが、運転手の仕事量の33%を占めると言われている待ち時間には賃金は支払われないという。

また、ウーバーはドライバーに対し、その収益の約12%を2週間ごとに休暇手当として支払い、ウーバーも掛金を拠出する年金制度に加入させるとしている。

労働者の支持者たちは、この動きとそれを後押しした裁判所の判決を支持する声を上げている。

カリフォルニア州議会議員のロレーナ・ゴンザレスは次のようにツイートした

「親愛なるアメリカよ。政府がそれを求めるとどうなるか?ウーバーは撤退するのか?いいえ、彼らはイギリスの労働力を正しく扱っている。アメリカのドライバーもこれに値するはずだ。なぜアメリカでは労働者の扱いが違うのか?それは我々がそうすることを許したからだ!」

彼女はウーバーが「プロポジション22」を推進して、その対象から除外することを求めたギグワーカーを保護するカリフォルニア州のAB5法案の提案者だ。

[原文:Uber will pay its 70,000 UK-based drivers minimum wage and benefits following a major Supreme Court defeat

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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