米半導体大手クアルコム(Qualcomm)の自動車分野における存在感が増してきている。
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テクノロジー分野においてクアルコム(Qualcomm)はよく知られた名前だが、同社がここ10年ほど自動車分野進出に意欲を燃やしてきたことはあまり知られていない。
自動車はいまや「走るコンピューター」のごとく変化を遂げようとしているが、クアルコムはそれでも「縁の下の力持ち」のスタンスを崩そうとしない。
米カリフォルニア州サンディエゴに本拠を置くクアルコムは、通信・半導体分野ではレジェンドともいえる存在だが、それ以外にも、通信機能がデフォルトで組み込まれていない自動車向けのサポートを7年、自動車メーカーとの協業という意味ではほぼ20年の歴史を持つ。
「自動車分野との関わりはゼネラル・モーターズ(GM)の車載テレマティクス『オンスター(OnStar)』に関する協業がきっかけだった」と語るのはクアルコムのバイスプレジデント、自動車部門ゼネラルマネジャーのナクル・ダガルだ。
オンスターはGMの自動車向け情報通信サービスで、ドライバーに位置情報を提供したり、ドアロックを遠隔解除したりする機能で知られる。
サービス導入により安全性の向上は見られたものの、専門家からはシステムとして不十分との評価も出ていた。しかし、7年かけてGMの全車種で第4世代(4G)の高速データ通信規格(LTE)との接続が可能になったことで、新たな地平が開けてきた。