ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長。世界的ブームの「特別買収目的会社(SPAC)」をどう使うのか。
REUTERS/Kim Kyung-Hoon
ソフトバンクグループは、同社が出資する特別買収目的会社(SPAC)「LDHグロウス・コープ」を3月19日(現地時間)に米ナスダック市場に上場させると発表した。1株あたり10ドルで2000万株を売り出し、2億ドル(約210億円)を調達する。
LDHは近い将来、「ラテンアメリカにおけるテクノロジー分野の高成長企業1社あるいは複数社」との合併や株式交換、資産買収などを手がけるという。上場時の主幹事はシティグループとJPモルガンが担当する。
ソフトバンクグループ副社長執行役員兼最高執行責任者(COO)のマルセロ・クラウレ氏がトップを務める。
わずか3カ月間で1200億円以上をSPAC通じて調達
ソフトバンクグループは1月12日と3月9日にも、SPAC計3社を上場させ、合わせて1200億円以上を市場から調達している。
プレスリリースによれば、1社目は「SVFインベストメント・コープ」で、1株あたり10ドルで5250万株を売り出し、オーバーアロットメント787万5000株を含めて6億375万ドルを調達。エリアを特定せず、テクノロジー関連分野での合併などを行う。トップはソフトバンクグループ副社長執行役員で、SVFを運営するソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ(SBIA)最高経営責任者(CEO)のラジーブ・ミスラ氏。
2社目は「SVFインベストメント・コープ2」で、今回のLDHと同様、1株あたり10ドルで2000万株を売り出し、オーバーアロットメント300万株を含めて2億3000万ドルを調達した。「1」と同じくエリアを特定せず、テクノロジー関連分野での合併などを行う。トップはドイツ銀行出身でソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)マネージングパートナー(MP)のマニシュ・バルマ氏。
3社目は「SVFインベストメント・コープ3」で、1株あたり10ドルで2800万株を売り出し、オーバーアロットメント400万株を含めて3億2000万ドルを調達した。「1」「2」同様、エリアを特定せず、テクノロジー関連分野での合併などを手がける。トップはやはりドイツ銀行出身でSVFマネージングパートナー(MP)のヤニ・ピピリス氏。
(文:川村力)