Marcos del Mazo/LightRocket via Getty Images
- アマゾンは、すべての配送車にAI搭載型カメラシステムを導入した。
- ドライバーのあくびやスピードオーバーを検出するとネトラダイン社のシステムが作動するようになっている。
- この新しいシステムは、従業員の反発を引き起こしている。
The Informationによると、2021年2月、アマゾンは配送ドライバー向けの教育ビデオの中で、AI搭載型カメラを導入して配送の全行程でドライバーを監視することを発表した。
この決定は反発を呼んでおり、あるドライバーは、このポリシーの変更はプライバシーの侵害であり、仕事を辞めざるを得なかったと、トムソン・ロイター財団(Thomson Reuters Foundation)に語った。では、このシステムはどのように機能するのだろうか。
ドライバー向けのビデオで、アマゾンのラストマイルセーフティ部門のシニアマネージャー、カロリーナ・ハラルズドッティル(Karolina Haraldsdottir)が「カメラを使ったビデオ安全技術」の仕組みについて説明している。
このシステムは「Driveri」と呼ばれ、AIと運輸関連のスタートアップ、ネトラダイン(Netradyne)社が製造している。4つのカメラで270度の視界をカバーしており、1つはフロントガラス方向に、2つは左右のウィンドウ方向に、もう1つはドライバーに向いている。
自動で映像をアップロードすることはない、ハロッズドッティはビデオの中で強調した。ライブ映像が送信されるのは、AIが問題を検出したときのみだ。AIが映像のアップロードを行う行為は、脇見運転、スピード違反、居眠りなど、16種類ある。
ネトラダインのカメラシステムに関するアマゾンの教育ビデオの一コマ。
Amazon/Vimeo
ハラルズドッティルはまた、カメラシステムは事故の際にドライバーの潔白を証明するためにも使用できると強調した。また、報告したい安全上の問題があった場合は、ドライバーが手動で映像をアップロードできると述べた。
この新システムの導入でドライバーが辞めたという報道では、元従業員はこのシステムを「ある種の支配だ」と捉えていた。
アマゾンは、過去にも監視に関する論争に直面している。2021年1月、200人以上の従業員が嘆願書に署名し、組合結成に関連した「労働者の監視」を止めるようジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)CEOに要求した。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)