2021年3月24日現在、セルゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ氏はアメリカのビリオネアの中で最も前年に比べて純資産が増加した人物だ。
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- アメリカには657人のビリオネア(億万長者)がいる。
- コロナ禍でその合計資産は44.6%増えたことが分かった。
- 一方、アメリカでは2020年3月から2021年2月までに約8000万人が失業している。
コロナ禍でアメリカの657人のビリオネアたちの合計資産は44.6% —— 金額にして1兆3000億ドル増えた。
これは「Americans for Tax Fairness (ATF) 」と「Institute for Policy Studies (IPS)」が公表した最新研究で分かった。ATFとIPSはフォーブスの情報を使い、2020年3月18日から1年間にわたって、アメリカの最も裕福な人々の財産を追跡した。
この期間に生じたアメリカの最も裕福な人々とそれ以外の人々の間の差は明らかだ。
2020年3月から2021年2月までに、アメリカでは約8000万人が失業した。2020年6月から11月の間に800万人近くが貧困に陥った。
「パンデミックはこの国のビリオネアたちの富を驚くほど増やした一方で、数千万ものアメリカ人をますます置いてけぼりにしました」とATFのエグゼクティブ・ダイレクター、フランク・クレメンテ(Frank Clemente)氏はコメントしている。
「ビリオネアたちはわたしたちとは違う世界に生きているのです」
コロナ禍でビリオネアたちの財産はそれぞれどのくらい増えた?
アメリカで一番、世界で一番裕福なのは、アマゾンの創業者で資産1839億ドル(約20兆円)のジェフ・ベゾス氏だ。
ブルームバーグ・ビリオネア指数(ほぼリアルタイムで更新されている)によると、パンデミックが始まって以来、アメリカのビリオネアの中で最も純資産が増えたのは、グーグルの共同創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏だ。2020年3月24日から2021年3月24日までに、ペイジ氏の純資産は118億ドル増え、943億ドルになった。同じく、ブリン氏の純資産も114億ドル増えて、912億ドルになった。
ペイジ氏、ブリン氏に次いで、純資産を大きく増やしたのはバークシャー・ハサウェイのCEO兼会長のウォーレン・バフェット氏だ。ブルームバーグのビリオネア指数によると、その純資産は74億ドル増えて951億ドルになった。
新しいビリオネアも43人誕生した。クラウド・データウェアハウス「スノーフレイク(Snowflake)」のCEOで純資産19億ドルのフランク・スロートマン(Frank Slootman)氏、民泊仲介大手「エアビーアンドビー(Airbnb)」のCEOで純資産143億ドルのブライアン・チェスキー(Brian Chesky)氏などもこれに含まれる。スノーフレイクもエアビーアンドビーも、多くのテック企業同様、パンデミックの最中に上場を果たしている。
Insiderで2月に報じたように、今日のアメリカの富裕層は、1953年の富裕層が払っていた税率の6分の1しか負担していない。ただ、バイデン大統領は富裕層へのさらなる課税を真剣に検討していると報じられている。
※ドル・円換算に誤りがありました。正しくは「20兆円」です(2021年3月26日午後6時、編集部)。
(翻訳、編集:山口佳美)