NTTドコモの月額2970円(税込)の「ahamo(アハモ)」がスタートした。
撮影:小林優多郎
NTTドコモのオンライン専用プラン「ahamo(アハモ)」が3月26日、ついにスタートした。
ahamoは、KDDIの「povo」、ソフトバンクの「LINEMO」と異なり、標準で5分間通話無料がついており、家族割のカウント対象、82の国や地域のデータローミング料金も含まれている点が特徴だ。
ahamoはほか2プランと基本料金と無料通話分の考え方が違う。
出典:各社ホームページよりBusiness Insider Japanが作成
だが、結論から言うと、筆者はahamoの導入をいったん見送り、現状の5Gギガホ(4月1日からは5Gギガホ プレミア)を継続すると決めた。その理由を解説しよう。
ドコモヘビーユーザーでも「年間4万8600円」の節約
筆者はモバイル通信回線以外にも、年会費1万1000円(税込)のクレジットカード「dカード GOLD」、固定回線「ドコモ光」を利用するそこそこヘビーなドコモユーザーだ。
ドコモへの月々の支払いを確認すると、モバイル回線と固定回線の合計は月額約1万2000円。通話やSMSなどで前後する従量課金制のものや消費税、ユニバーサルサービス料金を差し引けば月額1万350円で、内訳は以下のとおり。
筆者の現状の料金プラン。
出典:NTTドコモのホームページよりBusiness Insider Japanが作成
なお、筆者は離れて同居する家族や親戚と契約の紐付けをしていないため「みんなドコモ割」の適用を受けていない。
筆者の現状の環境のままahamoに乗り換えた際の料金。
出典:NTTドコモのホームページよりBusiness Insider Japanが作成
ahamoに契約変更をした場合の料金を計算すると、月額6700円と差額は月額-4050円、現状の約35%減という結果になった。年間だと4万8600円の節約になる。
「dカード GOLD」の特典を入れても3万8400円節約
dカード GOLDの特典がahamo契約時は異なる。
撮影:小林優多郎
ただし、ここまでの計算は「dカード GOLD」契約による特典を加味していない。
dカード GOLDは年会費が発生するが、ドコモの利用料金に応じて1000円(税別)につき100ポイントのdポイントが付与される。
しかし、これはドコモの従来およびプレミアの料金プラン向け特典で、ahamoとdカード GOLDの組み合わせでは、別の特典体系になっている。具体的には以下の通り(×…ahamoで対象外となる特典、○…ahamoのみの特典、─…契約内容では変わらない特典)。
- ×:1000円(税別)につき100ポイントのdポイント還元は、ahamo利用分は対象外(ドコモ光の利用分には適用)
- ×:dカード GOLDを通信料金の支払い先にすると月額-170円(税別)となる「dカードお支払割」は、ahamoの場合対象外
- ○:ahamoに契約し、dカード GOLDのショッピング利用時、100円(税込)につき10ポイント還元(毎月上限300ポイント)
- ○:ahamoの支払い先をdカード GOLD指定時、毎月のデータ容量が+5GB増量(9月から提供開始)。
- ─:その他、ケータイ補償や各種保険、年間利用特典などは変わらず
これを、先ほどの料金表にそれぞれ加味するとこうなる(便宜上、支払い先のクレジットカードをdカードGOLDに変更したとする)。
ポイントを加味した従来の料金。
画像:NTTドコモのホームページよりBusiness Insider Japanが作成。
ポイントを加味したahamoの料金。
画像:NTTドコモのホームページよりBusiness Insider Japanが作成。
シンプルにまとめれば、
- 5Gギガホを契約し続ければ、データ利用量無制限で月額1万180円。dポイントは毎月1000ポイント分付与されるので、実質月額9180円
- 9月以降にahamoに変更すると、データ利用量は25GBで月額6700円。dポイントは毎月最大720ポイント分付与されるので、実質月額5980円
9月以降という条件付きだが、ahamoに変えると実質価格でも月間3200円、年間で3万8400円の節約になる。
分水嶺は「データ容量」だが必要に応じて変えてもいい
自分にとってテザリングでもモバイル回線を利用しているので、「データ利用量無制限」は大きな価値がある。
撮影:小林優多郎
ここまでの結果を見たら、ahamoに変えない理由はあまりないように思える。
当初、カードの年会費を1万円(税別)も払っているのに、10%の還元がもらえないのは残念だと感じていた。だが、9月以降は5GBのデータ容量が追加されるので、実質毎月2500円(税別)分、年間だと3万円分の特典が付与されるとも考えられる。
唯一、変えるべきか否かの分水嶺となるのが、月間25GBというデータ容量だ。筆者の直近のデータ使用量(端末での測定記録)を確認してみると、以下のようにややばらつきがある。
- 2020年12月:31.65GB
- 2021年01月:11.42GB
- 2021年02月:13.78GB
- 2021年03月:23.62GB(26日時点まで)
どの月も主にデータ量がかさんでいるのは「テザリング」で、出張など外での取材が多いと利用量が跳ね上がる。そのため、緊急事態宣言発令の影響を顕著に受けている。
このことを踏まえると、25GBという容量は筆者にとって、毎月間に合うか間に合わないかのかなり微妙なラインだ。
筆者の直近のデータ利用量。出張や外での取材のあるなしで大きく変動する。
撮影:小林優多郎
データ容量を節約しようと思えば、25GBに収まるように節約できる。一方で、月間実質3200円で25GBからデータ容量無制限になると考えると、日々の業務としては間違いなく費用対効果は高いと言える。
結論としては、+5GBのボーナスパケットの特典が提供されるまで、コロナ禍の状況を見つつ、25GB範囲内で収まりそうなら特典開始と合わせてahamoに乗り換え、それまではコロナ禍での使い方を様子見することにした。
また、仮にahamoに変えたとしても利用状況に合わないなら、(やや面倒だが)次の月は5Gギガホに戻るということも手数料ゼロでできるので、いつ検討してもいいわけだ。
今回の試算はすべて、筆者の利用状況によるものだが、ahamoと従来プラン、関連サービスとの関係を把握するには参考になるはずだ。自分の利用状況に応じて、最適なプランを選んで欲しい。
(文、撮影・小林優多郎)