『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』には、いろいろなものが隠れている。
Warner Bros. Pictures
- 映画『ハリー・ポッター』シリーズは、ファンでも気付かないかもしれない"隠れたディテール"でいっぱいだ。
- シリーズ3作目、アルフォンソ・キュアロン監督の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』も例外ではない。
- ニュート・スキャマンダーがカメオ出演していたり、魔法使いがスティーヴン・ホーキング博士の本を読んでいるシーンなどがある。
魔法使いの1人 —— ザ・ストーン・ローゼズの元フロントマン、イアン・ブラウンが演じた —— は魔法を使ってカップをかき回しながら、『ホーキング、宇宙を語る:ビッグバンからブラックホールまで』を読んでいた。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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漏れ鍋では、魔法を使ってカップをかき回している魔法使いがいた。彼は魔法を使いつつ、スティーヴン・ホーキング博士の『ホーキング、宇宙を語る:ビッグバンからブラックホールまで』を読んでいた。
魔法使いがこのようなマグルの本を読んでいるのを見るのは興味深い(ホーキング博士がマグルかどうかは分からないが)。
しかも、この魔法使いはザ・ストーン・ローゼズの元フロントマン、イアン・ブラウンが演じている。ブラウンは実生活でキュアロン監督の友人だ。
テーブルを片付けていた魔法使いは、ボトルを布巾の中に消した。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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この漏れ鍋のシーンでは、ウエイターがテーブルを拭いている。手を振ると、椅子がテーブルの上に動く。
ただ、さらにすごいのは、この魔法使いが布巾でテーブルを拭き、空になったワインボトルを布巾で覆うと、ボトルが完全に消えてしまうことだ。こうしたちょっとした瞬間が、魔法の世界に現実味を与えている。
ホグワーツの聖歌隊が歌っている歌の歌詞には、『マクベス』の魔女の台詞が使われている。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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ホグワーツの聖歌隊と彼らが抱えている育ち過ぎのカエルたちは、良い効果を与えている。聖歌隊の指揮者はフィリウス・フリットウィック先生だ。ただ、一番の注目はこの歌の歌詞だ。
「Double, double, toil and trouble(倍増し、倍増し、憂さも辛さも)」は、シェイクスピアの『マクベス』に出てくる魔女たちの台詞から来ている。
ハリーを乗せる直前、バックビークが用を足しているのが分かる。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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ヒッポグリフのバックビークは、映画に出てくる魔法生物の中でも魅力的な生物のひとつだ —— ドラコの腕の骨は折ったけれど。
わたしたちはハグリッドの魔法生物飼育学の授業で、バックビークを初めて見ることになる。映画の製作者たちはヒッポグリフをできるだけ自然に見せたいと考え、似たような実在の動物にこれを演じさせた —— そして、このシーンに現実味を加えるため、馬のように用を足しているバックビークを見せることにした。
ハニーデュークスの「死者の日」の骸骨は、監督がメキシコ出身であることが関係か。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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ハニーデュークスは、『ハリー・ポッター』の世界の中で最も見ていて楽しい場所の1つだ。わたしたちがこの店を初めて目にするのは、ハリーが透明マントを着てホグズミードを訪れる時だ。
ハリーが店の中を通り抜けようとすると、キャビネットに飾られた骸骨が目に入ってくる —— メキシコの祝日「死者の日」でしばしば見られる骸骨にとてもよく似ている(キャンディーは追加されているが)。
これはキュアロン監督がメキシコ出身であることと関係している可能性がある。
ハリーに送った意地悪ないたずら書きにドラコ・マルフォイはサインをしている。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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休みを取ったルーピンに代わってスネイプが闇の魔術に対する防衛術の授業を担当するシーンで、ドラコはいたずら書きをした羊皮紙をハリーに送って、うれしそうにしていた。
このいたずら書きは、ハリーが次のクィディッチの試合中、ブラッジャーにぶつかられ、雷に打たれる様子を描いたものだが、自分の芸術的才能が誇らしかったのか、ドラコが左端にわざわざサインをしていることには気付かなかった人もいるだろう。
ニュート・スキャマンダーが一瞬、忍びの地図に現れている。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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この映画では、ニュート・スキャマンダーが忍びの地図に驚きのカメオ出演を果たしている。
フレッドとジョージからこの地図をもらったハリーは「いたずら完了」と言って地図を閉じる。ところがその直前、映画を一時停止してよく見ると、ニュート・スキャマンダーの名前が地図にあるのが分かる。
スキャマンダーはのちに、2016年公開の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』とその続編で2018年公開の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で、エディ・レッドメインが演じている。スキャマンダーがホグワーツに現れたのは設定上、正しいのかどうかは分からない。
バックビークを自由にするシーンでは、ダニエル・ラドクリフのマイクの送信機の形が見えている。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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ハーマイオニーの逆転時計を使って、ハリーとハーマイオニーがバックビークを助けようとタイムトラベルしたこのシーンでは、クルーの姿は見えないないものの、映画作りのプロセスが垣間見える。
よく見ると、カメラに背を向けているラドクリフ演じるハリーの腰にマイクの送信機がつけられているのが分かるはずだ。一度気付くと、この"こぶ"はとても目立つ。
エンドクレジットで、忍びの地図にカップルのいちゃいちゃが映り込んでいる?
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より。
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この映画の中で、忍びの地図にはもう1つサプライズが隠れている。エンドクレジットを見てみよう。
出演者やスタッフの名前などが次々と忍びの地図に表示される中、地図の左端に2人分の足跡が見える。その位置は、2人が抱き合っているようだ。
[原文:9 details you missed in 'Harry Potter and the Prisoner of Azkaban']
(翻訳、編集:山口佳美)