ナイキは商標権侵害でMSCHFを訴えている。
MSCHF
- ナイキは、「サタンシューズ」を販売した小売スタートアップのMSCHFを商標権侵害で訴えている。
- MSCHFとラッパーのリル・ナズ・Xがコラボしたスニーカーは1分足らずで完売した。
- MSCHFが販売した商品は、ナイキのエアマックス97のように見え、ナイキのトレードマーク「Swoosh」もある。
ラッパーのリル・ナズ・X(Lil Nas X)とコラボレーションした「サタンシューズ(Satan Shoe)」をめぐり、ナイキ(Nike)は販売元のMSCHF社を提訴した。
ミッドソールに赤いインクと人間の血の滴を加えた「サタンシューズ」はエアマックス97を模倣しているとして、ナイキはMSCHF社を商標権侵害で訴えた。MSCHFは、リル・ナズ・Xの楽曲「Montero(Call Me By Your Name)」のリリースに合わせてタイアップしていた。
ナイキは、同社の商標である「スウッシュ」を使用したことで、MSCHFが「無許可」で作ったナイキ風の靴をあたかもナイキ製だと思わせて、消費者を混乱させ、誤解させたと主張している。
さらに、MSCHFのシューズを理由に顧客からボイコットされそうになったと主張している。バスケットボール選手のニック・ヤング(Nick Young)は、「サタンシューズ」が発表されたことで、ナイキを履くかどうか悩んでいるとツイートした。
「ナイキは、自社ブランドを維持管理し、自社の知的財産を保護し、市場の混乱を解消するために、この訴訟を起こした。ナイキは、MSCHFがカスタマイズしたサタンシューズを承認していない」と訴状には記されている。
MSCHFからのコメントは得られていない。
ナイキは、MSCHFに対し、「金銭では補償できない」ほどの評判の低下を被ったとして、商標権侵害による損害賠償に加えて、訴訟費用と弁護士費用の支払いを要求している。
また、「消費者がナイキは悪魔主義を支持していると信じることを含め、同社の信用を著しく傷つける行為」だと主張している。ナイキは裁判所に対し、ナイキ製品に類似するすべての製品を廃棄するようMSCHFに命じるよう求めた。
「サタンシューズ」は1分以内に売り切れたとMSCHFはInsiderに語っていた。MSCHFは、聖書のルカによる福音書の一節(Luke 10:18)の「かれは言った。『私は悪魔が天から稲妻のように落ちるのを見た」に因んで、それを1018ドルで666足販売した。
ナイキはニューヨーク・タイムズに対し、同社はMSCHFのシューズに関与していないと述べた。
「我々はリル・ナズ・XやMSCHFとは無関係だ。ナイキはこれらのシューズをデザインもリリースもしていないし、推薦もしていない」
MSCHFはかつてナイキのエアマックス97を、聖職者に祝福されたヨルダン川の聖なる水を詰めたスニーカーに変身させ、「ジーザスシューズ」としてを一足3000ドルで販売した。
リル・ナズ・Xは、彼のミュージックビデオへの批判に対するのと同じように、この訴訟のニュースにミームで応えた。
ナイキによる訴訟の後の自分
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)