- トルコの建築設計事務所が、環境に優しい水上ホテルを設計した。カタールでの建設が検討されている。
- このホテルは自らが回転することによって発電するほか、風力発電や雨水利用も行われる。
- 誰の依頼で設計したのか、どれくらいの費用がかかるのかなどは明らかにされておらず、現在、実現可能性の調査が行われている。
トルコのハイリ・アタク(Hayri Atak)建築設計事務所が、環境に優しい水上ホテルを設計した。カタールでの建設が検討されている
客室数152室の5つ星クラスのホテルとして設計され、敷地面積は3.5ヘクタールを超える。このホテルの建設はまだ始まっておらず、実行可能性調査と技術審査が進められているところだと、プロジェクトに携わる建築家の1人、クブラ・テュルク(Kübra Türk)がInsiderに語った。
建築家によると、ホテルは回転して電気エネルギーを発生させるという
ただし、この回転で「必要なエネルギーをすべて生み出せるわけではない」とテュルクは述べている。発電量はホテルの建設場所やそこの水の流れによって変わるという。
55基の垂直軸風力タービンも組み込まれており、これらは発電だけでなく、パラソルとしても機能する
また、雨水を集める装置や、海水の淡水化システムも設計に組み込まれている。他にも、生ゴミを植栽の肥料として利用するシステムや、排水を環境に悪影響を与えないように処理するシステムなど、環境に配慮した取り組みが計画されている。
海岸線が560キロメートルを超える半島国家のカタールでの建設が検討されているが、設計事務所によると「実際にはどこにでも移動できる」という
「場所は問題ではない」とテュルクは言う。
「このホテルは移動できるので、条件を満たす水の流れさえあれば、どこにでも設置できる」
ホテルを所定の場所に留めるために、プロペラやスラスターを使って位置や方向を自動的に維持するコンピューター制御システム「ダイナミックポジショニング」が導入される。
ホテルへのアクセスには、ボートあるいは海岸に接続される約43メートルの桟橋を利用する
Source: HAADS
ヘリポートがあるので、ヘリコプターで訪れることもできる
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設計図によると、ホテルの中央にはガラス屋根で覆われた約700平方メートルのロビーがある
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152の客室すべてに、専用のバルコニーがある
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屋内外のプール、サウナ・スパ、ジム、ミニゴルフ場などのアクティビティ施設も設置される
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この野心的なプロジェクトは、2025年の完成を目指しているが、まだ多くの疑問点が残されている
テュルクは守秘義務を理由に、このホテルを運営する企業や開発資金の出所を明らかにしていない。
現在、実行可能性の調査と技術審査が進行中で、ホテルの設計要素に初めて使用されるものが多くあることから、建設にかかる総費用の見積額も示されていない。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)