日本EV・自動運転が勝つにはオープンソース戦略。ホンハイと組んだ日本スタートアップ

the DIALOGUE

撮影:今村拓馬(尾原氏)、提供:野辺継男氏(野辺氏)、提供:ティアフォー提供(加藤氏)、テスラ写真:Grzegorz Czapski / Shutterstock.com

—— Business Insider Japan では、先日尾原さんと野辺さんにテスラやアップルになぜ日本勢が勝てないのか、というテーマで話していただきました。今回は自動運転ビジネスを手がけていらっしゃる加藤さんに加わっていただき、さらに自動車の未来について議論したいと思います。

加藤さん、まず自己紹介をお願いします。

加藤真平氏(以下、加藤):私には3つの立場があります。1つめは、東京大学で准教授としてコンピュータサイエンスの講座を持ち、オペレーティングシステム(OS)やコンピュータアーキテクチャの研究をしています。

2つ目は、創業したティアフォーというスタートアップで最高技術責任者(CTO)を務めています。これがライフワークです。

3つ目は、「The Autoware Foundation」という自動運転OSの業界標準を目指す世界初の国際業界団体で代表理事をしています。自動運転の競合は、テスラやグーグル(ウェイモ)、中国のメガIT企業ですから、社員200人のスタートアップが立ち向かっても勝てません。仮に大手自動車メーカーと組めたとしても、世界の市場シェアを獲るには程遠い。

では、どうしたら勝てるのか。唯一のアプローチは、オープンソース戦略だと考えています。そこで自動運転ソフトウェア「Autoware」を開発し、オープンソースとして全世界に公開しました。このオープンソースコミュニティが「The Autoware Foundation」です。現在60社以上、3000人ほどが参加しています。

日本が勝つために有効なオープンソース戦略

Androidスマホ

Androidの世界シェアは現在8割弱。iOSに大きく水をあけることができた要因は、オープンソース戦略だ。

ymgerman / Shutterstock.com

——3つ目のオープンソース戦略について、尾原さん、野辺さんはどうお考えでしょうか。

野辺継男氏(以下、野辺):いまやクラウド上のソフトウェアはほとんどがオープンソースを何らかの形で利用しています。今後、自動車の付加価値を高める要素技術もクラウド上で開発される傾向があり、オープンソース戦略はますます重要になるでしょう。

オープンソース化が進めば、フラットに競争が拡大しますから、ある領域を支配できれば、スタートアップでも市場シェアを拡大できる。極めて高度化技術を必要とする自動運転の領域でもオープンソース戦略をとることで先手必勝を狙うこともでき、理にかなっています。

尾原和啓氏(以下、尾原):私も同意見です。これまで自動車メーカーが強みとしていた技術力はEV化によって多くが無効化され、まったく別のゲームに変わってきています。自動運転OSという新たな主戦場で、日本が勝つためにはオープンソース戦略は有効な手です。

グーグルのAndroidも、オープンソースソフトウェアであるLinuxがベースです。新興国では、Andoroidの古いバージョンを自前で再開発して利用しているケースもあります。日本ではiPhoneが人気で、Andoroidのシェアは5割程度ですが、世界全体では8割弱がAndroidです。

オープンソース化によって、新興国でも安価に開発できるので普及しやすい。

かつてPCやスマホのメーカーは、ハードウェア製造で競争していましたが、OSやソフトウェア、プラットフォームが価値の源泉となりました。中長期的に見れば、自動車業界でも同じことが起こるでしょう。ティアフォーのオープンソース戦略は非常に戦略的な動きだと思います。

日本の自動車メーカーはあと20〜30年安泰

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