ビジネス特化型SNS「リンクトイン(LinkedIn)」は新たな音声機能を開発中だ。
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ビジネス特化型SNSのリンクトイン(LinkedIn)は、音声配信サービスへの関心の高まりを受け、同社のプラットフォームに音声のみのコンテンツを導入する手法を検討している。
音声SNSアプリ「クラブハウス(Clubhouse)」が2020年にユーザーを数百万人増やし、刺激を受けたツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)、スポティファイ(Spotify)もそれに続いた。マイクロソフト傘下のリンクトインの参入もそうした流れのなかにある。
テスト中とみられる機能の1つは、スピーカーとリスナーの役割に分かれた(クラブハウスと同様の)ライブトークルーム。モックアップ(試作)のスクリーンショットを、アプリリサーチャーのアレッサンドロ・パルッツィがツイッターでシェアしたことから明らかになった。
リンクトインの広報担当は事実関係を認め、次のように回答した。
「ユーザーの能力や専門性を(機会に)つなげる独自の音声体験を生み出すため、初期段階のテストを行っているのは事実です。
イベントやグループといった他のリンクトインの機能と音声をどう結びつけたらいいか、ユーザーがそれぞれのコミュニティとより多様な形でつながることができるように音声をどう活用できるのか、模索の最中です」
もともと求職者やプロフェッショナル人材のネットワーキングアプリとして始まったリンクトインだが、近年はコンテンツクリエイター向けの新たなツールへの投資が続いている。
インスタグラム(Instagram)やスナップチャット(Snapchat)が2020年に提供開始した機能と同様の「ストーリーズ」や、3月30日に公開されたばかりの新機能「クリエイターモード」がそれだ。
リンクトインのダン・ロス編集長はInsiderにこう語っている。
「私たちはいま大きな変化を感じています。かつてユーザーの多くは(リンクトイン上に作成する)コンテンツを職務経歴のほんの一部にすぎないと考えていましたが、それはむしろ核心であることに皆が気づいたのです」
リンクトインはまた、関心の高まりつつある音声ビジネスの収益化、ソーシャルメディアコンテンツへの投資も検討している。
音声ビジネスへの関心を一気に高めるきっかけとなったクラブハウスは、人的ネットワークをつなげたいベンチャーキャピタリストやスタートアップの創業者、プロフェッショナルの社交場として発展してきた。
テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクやジョシュ・コンスティン(元テッククランチ記者)、スラック(Slack)CEOのスチュワート・バターフィールドら数多くの著名人がトークイベントを主催したり、ゲスト参加したりしている。
ジョシュ・コンスティンはInsiderにこう語った。
「僕がクラブハウスに惚れ込んだのは、新型コロナウイルスの感染拡大が世界に広がり始めた最初のころだった。人とのつながりを保ち続ける上でこれ以上ない接点として機能すると思ったから。実際、クラブハウスはいまも自然発生的に何かしら特定のテーマや問題についての議論を深める類まれな場所になっている」
[原文:LinkedIn is doing 'early tests' of a Clubhouse competitor as the audio space heats up]
(翻訳・編集:川村力)