無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


偽造品や海賊版、欠陥商品に対する責任はアマゾンにはない?…テキサス州で注目の裁判が始まる

amazonlogo

REUTERS/Pascal Rossignol/File Photo

  • テキサス州で子育てをするモーガン・マクミランさんが、中国製の欠陥商品でアマゾンを提訴しようとしている。
  • これまで、アマゾンが単なる「売り場」なのかどうかについて、アメリカの裁判所はさまざまな判断をしてきた。
  • テキサス州最高裁の下す判決が、重要な判例となる可能性がある。

アマゾン(Amazon)は、サードパーティーの製造販売業者に依存するeコマース帝国だが、これまではこうした事業者の製品が偽造品、欠陥品、さらには危険であると発覚した場合でも、自社には責任はないとの見解を示してきた。だが、今起ころうとしている訴訟がすべてを変え、アマゾンや他のeコマース業者のビジネスのあり方を大きく変えるかもしれない。

アマゾンの直近のプライムデー(コロナウイルスの影響で2020年10月に延期された)では、サードパーティーによる売り上げの大きさが顕著だった。その売上高は、35億ドル(約3900億円)以上で、アマゾンの小売事業の売り上げを上回った。このように、アマゾンのサードパーティー販売業者は、一大産業になりつつあり、未公開株式投資会社などの投資家が成功した業者を数百万ドルで買収しようとすることもある。

だが、現在進行中の訴訟は、すべてをひっくり返す可能性があり、アマゾン以外の企業に影響を与えるかもしれない。ウォルマート(Walmart)のほか、サードパーティープラットフォームへ進出している大手企業も、影響を受ける可能性がある。

訴訟の原告で、テキサス州に住むモーガン・マクミラン(Morgan McMillan)さんは、1歳7カ月になる娘がアマゾンの「USAショッピング7693(USA Shopping 7693)」という販売業者から購入したリモコンの電池を飲み込んだ。赤ちゃんは重傷を負ったが、この中国企業は見つからなかった。

マクミランさんはテキサス州でアマゾンを訴えたが、アマゾンは自社がそのリモコンの製造販売者ではないと主張してきた。Insiderは、テキサス州の元控訴裁判所判事で製造物責任訴訟を担当したことのある弁護士のジョン・ブローニング(John Browning)さんに話を聞いた。ブローニングさんによると、アマゾンはこれまで、訴訟が大きくなる前に和解する傾向があったという。アマゾンは、本件に関するコメントを控えている。

「どちらが勝つかと聞かれたら、アマゾンだと言うだろうが、現実の可能性として、判例をみると、今回は判決が逆になることも十分にある」とブローニングさんは述べた。

「今後に大きな影響を与えるだろう」

欠陥商品でアマゾンが訴えられているのは、テキサス州だけではない。カリフォルニア州控訴裁判所は2020年8月、フルフィルメント by Amazon(アマゾンの出品サービス)を通じて販売された中国製ラップトップのバッテリーの欠陥で火傷を負った女性に対して、アマゾンに責任を問うことができるとの判決を下した。

この件の裁判記録によると、次の公判は10月に行われる予定だ。この訴訟の原告、アンジェラ・ボルジャー(Angela Bolger)さんの代理人、法律事務所ケイシージェリー(CaseyGerry)のジェレミー・ロビンソン(Jeremy Robinson)さんは、アマゾンはこの判決以降、サードパーティーの販売業者に対して偽名でのビジネスを許可しないことにしたようだが、判決が理由かどうかは定かではないと述べた。

アマゾン以外の事業者から「実際に何かを得られる可能性は0%だ」と、テキサスの訴訟でも消費者保護団体の代理人を務めているロビンソンさんは述べた。中国の業者の荷物を差し押さえることや、中国の法廷で訴訟を起こすことは、極めて困難だという。

2021年2月、カリフォルニア州の議員は新たな法案AB 1182を議会に提出した。これは、電子機器小売業者が欠陥品の責任を問われるケースを明確に規定しようとするものだが、議論はまだ始まったばかりだ。アマゾンは、2020年にカリフォルニア州の上院を通過した同様の法案を支持していたが、他のオンライン小売業者が反対し、立法化には至らなかった。

消費者保護団体カウンターフェイト・レポート(Counterfeit Report)の創設者、クレイグ・クロスビー(Craig Crosby)さんは、アマゾンや他のeコマース業者はこれまで「法の抜け道を利用して」偽造品、海賊版、欠陥品の問題を放置してきたとInsiderに語った。

「常識的に考えてみよう。『うちのウェブサイトでは誰でも何でも売っていい。でも、我々に責任はない』などと言えるのか。実店舗ではどうなのか」と彼は述べた。

「ウォルマートに入って食品を買う時、その食品は汚れていない、健康なものだと期待しているはずだ。でも、オンラインで買う時は何でもありになってしまっている」

[原文:A new lawsuit could change how Amazon does business with 3rd-party sellers forever

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

Popular

あわせて読みたい

新着記事

cop26

COP26「脱炭素」と原発推進の不都合な現実…ヨーロッパ主要国が急進する理由は「電源構成」でわかる

  • 土田 陽介 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 副主任研究員]
  • Dec. 07, 2021, 12:00 PM

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み