ヨガの指導を認める法案を否決、アラバマ州…理由はヒンドゥー教の布教につながるから

アラバマ州では学校でのヨガ禁止

モダンヨガのポーズ「チャトランガ」の手本を示す女性。

Ovseychuk Stanislav/EyeEm/Getty Images

  • アラバマ州議会で、公立学校でのヨガの指導を認める法案が否決された。
  • アラバマ州の学校では、1993年からヨガが禁止されている。
  • 保守的なキリスト教団体は、学校でのヨガがヒンドゥー教の布教につながると主張している。

アラバマ州の公立学校でヨガの指導を認める法案が州議会の委員会で否決され、ヨガを復活させようとしたある議員の長年の戦いに終止符が打たれた。

アラバマ州のジェレミー・グレイ(Jeremy Gray)議員が提案した法案AL HB246は、ヨガを復活させるかどうかは学校が任意に決定できるとするものだ。成立すれば、1993年から施行されているアラバマ州の公立学校でヨガを禁止する法律を覆すことになっていた。

しかし、アラバマ州上院は3月31日、この法案の採決を行い、否決した。グレイ議員には、将来この法案を再び提出する道があるが、これは大きな敗北だ。

アラバマ州は、このような法律があるアメリカで唯一の州だ。この法律の条文には、「教職員は催眠状態への誘導、イメージ療法、瞑想、ヨガなどの技術の使用を禁止する」とあり、さらに「ナマステ」という言葉の使用も禁じられている。

ヨガがヒンドゥー教の布教につながるかどうかが争点になっており、いくつかの保守的なキリスト教団体は、それが問題だと主張している。

アラバマ州シチズンズ・アクション・プログラムの法律顧問であるエリック・ジョンストン(Eric Johnston)は、ヨガはヒンドゥー教に根ざしたものであるため、「公立学校で幼い子どもに教える必要はない」とニューヨーク・タイムズに述べた

「もしこの法案が通過したら、インストラクターが幼稚園児のような小さな子どものいる教室に行き、イメージ療法を行うことになる。これはスピリチュアルな訓練であり、両親の目の届かない場所で行われる。我々はそれは適切ではないと考えている」と、アラバマ州イーグルフォーラムのベッツィー・ガリソン(Betsy Garrison)は主張した。グレイ議員の法案には、このことに対応して、「チャンティング、マントラ、ムードラ、マンダラの使用、ナマステの挨拶は、明確に禁止する」と記載されていた。

グレイ議員や他のヨガ支持派は、彼らの批判は間違っており、ヨガは生徒の集中やリラックスに役立ち、学業向上に繋がると主張している

「それはヨガを行ったらヒンドゥー教徒になるという考え方だ。私はヨガを10年続けているが、教会に通う敬虔なクリスチャンだ」と、グレイ議員は記者に語った。

2016年の調査によると、アメリカではおよそ3670万人がヨガを行っている。

[原文:Alabama upholds a ban on yoga in school citing fears of the practice spreading Hinduism

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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