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価格設定を思いつきで決めてはいけない。シリコンバレーのVC直伝、スタートアップ必読の価格戦略

メンロベンチャーズは、アーリーステージにあるB2BのSaaS企業に特化して投資するベンチャーキャピタル(VC)だ。同社のパートナーであるナオミ・イオニタが、スタートアップ企業にとっての「生命線」とも言える価格戦略についてアドバイスする。


多くのスタートアップは、製品・サービスの価格設定を誤り、利益獲得のチャンスを無駄にしている。

ナオミ・イオニタ

メンロベンチャーズのパートナーを務めるナオミ・イオニタ。以前はエバーノート等でプロダクトのグロースおよび収益化の責任者を務めていた。

本人提供

価値に見合った価格設定とは、製品・サービスに対して快く最高の対価を支払う顧客を見出すことだ。そして、そのためには価格設定プロセス、つまり体系的な顧客調査が不可欠だ。

スタートアップの創業者は、収益化の段階に差しかかると、何から手をつければいいのか分からなくなることが多い。 私は創業者たちと話す際、初めの価格設定とパッケージングをどのように決めたかをよく尋ねる。するとたいてい、次の3つのいずれかに当てはまるものだ。

  1. 即興的に決める:驚くことに、多くの企業は価格設定を無作為に行う。製品や設計には何カ月もかけるのに、価格設定は思いつきのような扱いだ。経営者の多くは「ぎりぎりになって適当に選んだ」と、いかにも気まずそうに認める。
  2. 市場シェアを獲得するために価格を低く設定する:2つ目の方法は、「ランド・アンド・エクスパンド(上陸と展開)」戦略の名の下に、意図的に価格を低く設定し、ユーザーを早期に獲得しようとするものだ。この方法の問題点は、短期的にも長期的にも製品を安価なものに留めてしまうこと。というのも、ユーザー獲得の見返りに、低価格のせいで売上を伸ばしにくくなってしまうからだ。この戦略で成功するためには、無料・低価格バージョンから、効果的にアップグレードさせる方途を用意しなければならない。
  3. プレミアム価格を設定して製品のプレミアムさを強調:3つ目の方法は、プレミアムなポジショニングを狙った価格設定だ。この場合、企業は価格を高く設定し、たとえ顧客獲得のためであっても値下げはしない。

当社の投資先企業のひとつエンボイ(Envoy)は、その草創期において、価格を低く設定する戦略をとる部類の企業だった。エンボイのラリー・ガディアCEOは、草創期にA社と交わしたこんな商談の様子を語ってくれた。

当時、エンボイが設定していた価格は、1拠点あたり月間20ドルだった。A社が購入意志を示し、話題が価格に及んだ際、ガディアCEOはこう言った。「月間20ドル……いや、200ドルです」。すると、A社は笑いながら躊躇なく「分かりました。200ドルで契約しましょう」と答えたのだ。

A社からすると、元の価格の10倍であっても、エンボイが提供する価値は十分に大きいものだった。そして、顧客の即決を得られたということは、10倍の価格であってもまだ利益獲得のチャンスを逃している、ということをガディアは悟った。

価格設定にまつわるこうした体験は、本来得るべき収益を獲得するうえでまたとない教訓となる。

私が以下で述べる戦略は、成功を保証するものではない。その成否は、市場、競合、製品が提供する価値に対する顧客の認識による。しかし価格を設定するうえでは、顧客の需要と支払い意思について入念に調査することが役に立つ。

VCが教える、スタートアップのための価格設定3ステップ

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