月は地球の中心を回っているわけではない…よく分かるアニメーションをJAXAの惑星科学者が作成

人工衛星「DSCOVR」が捉えた地球の前を通過する月の姿。

深淵宇宙気候観測衛星「DSCOVR」が捉えた地球の前を通過する月の姿。

DSCOVR EPIC team

  • 地球も、地球表面から少しだけ内側に位置する点を中心に回っている。
  • すべての星系に、こうした点が存在する。共通重心と呼ばれ、星系に含まれる天体全体の質量が完全に均衡する点のことだ。
  • 冥王星とその衛星カロンのように、共通重心が惑星の外側にある星系もある。

月は地球を中心に回っているのか。その答えは実のところ少し複雑だ。

月は、地球の中心から約4800km離れた点、つまり地球表面のすぐ下にある点を中心に回っている。地球もまた、その点を中心に揺れるように回っている。

その点は、地球-月系の質量中心であり、共通重心と呼ばれている。物体(または複数の物体から成るシステム)の質量がすべての方向に均等に分布し、完全にバランスがとれる点のことだ。

地球と月の重心は、地球の中心と一致しているわけではなく、「常に地球の表面から少しだけ内側」にあると、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の惑星科学者、ジェームズ・オドノヒュー(James O'Donoghue)がツイッターで解説した

自分の目で見てみないことには、それがどのようなものかを想像するのは難しい。そこで、オドノヒューは何が起きているのかを解説するアニメーションを作成した。

このアニメーションは、今後3年間に地球と月がどのように動くかを示している。

地球と月の距離は縮尺通りではないが、時間とともに変化する位置関係は、NASAのデータを用い、正確に表現にされている。

「今日の日付でアニメーションを一時停止すると、地球と月の現在地が物理的にどこなのかが分かる」とオドノヒューは述べた。

恒星あるいは惑星が中心のように見えるが、あらゆる星系はこのような目に見えない点を中心に回っている。我々の太陽系の共通重心は、太陽の内側にあったり、外側にあったりする。共通重心を調べることで、これまで知られていなかった惑星の発見につながることもある。つまり、恒星の動きから星系全体の質量を計算することができるのだ。

オドノヒューは、冥王星とその衛星カロンについても同様のアニメーションを作成した。この星系では、共通重心は常に冥王星の外側にある。

これは、カロンの質量が冥王星に比べてそれほど小さいわけではないため、地球と月の場合よりも、共通重心が衛星の方向に少しだけずれているからだ。

冥王星の外側に共通重心があることから、準惑星とその衛星というよりも「二重(準)惑星系」だと考えられるとオドナヒューは述べた

彼は自由な時間があるとこのようなアニメーションを作成している。これまで作成したものには「なぜうるう年が必要なのか」「太陽系の天体の正確な縮尺モデルを見たことがない理由」「光のスピードはあまりに遅い」などがある。

[原文:An astronomer's animation shows how Earth and the moon both orbit a spot 3,000 miles from the true center of the planet

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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