東シナ海を航行中のアメリカ海軍の強襲揚陸艦ボノム・リシャールの乗組員が、視界の悪い中、監視を行っている。
U.S. Navy via Getty Images
- アメリカ海軍の高官は、軍艦に群がったドローンの正体をまだ特定できていないと述べた、とNBCニュースが報じた。
- 2019年、カリフォルニア沖で訓練中だったアメリカ海軍の軍艦の近くを、複数のドローンがホバリングした。
- 報告書によると、ドローンは市販されているモデルよりも強力な機種だったという。
アメリカ海軍の司令官は、2019年にカリフォルニアのチャンネル諸島沖で米軍艦船の周りをホバリングしているのを目撃された謎のドローンの正体解明には至っていないと語った。
NBCニュースによると、アメリカ海軍作戦部長のマイケル・ギルデイ(Michael Gilday)大将は2021年4月5日にワシントンD.C.で行われた会見で、その目撃情報について海軍情報部が調査しているところだと述べた。
謎のドローンの正体は明らかになったのかという質問に対し、ギルデイ大将は「いや、まだ分からない」と答えた。
「私はこれらの情報について把握している。また、報道されているように、航空機からの目撃情報や、他国の艦船からの目撃情報もある。そしてもちろん、アメリカ軍内で共有している情報もある」とギルデイ大将は述べている。
「それらの情報は、現在も分析中だ」
ギルデイは、ドキュメンタリー映画監督のデイブ・ビーティ(Dave Beaty)によって明らかにされた一連の不可解な事件について言及した。ミサイル駆逐艦のキッド、ラファエル・ペラルタ、ジョン・フィンが、カリフォルニア州海岸近くの軍事区域での演習中に、ドローンに追跡された事件のことだ。
これらの事件の詳細については、自動車専門サイトで防衛問題も扱う「The Drive」が、3月に情報自由法(FOIA)に基づいて情報を入手し、まとめている。
The Driveが入手したデッキログ文書によると、このドローンは市販品の能力を超えている。一度に6機のドローンが、しばしば視界の悪い中、点滅するライトをつけて船の周りをホバリングし、約16ノットの速度で軍艦を追跡することができたという。
この事件はアメリカ軍の機密施設や訓練施設の近くで発生したため、海軍情報部とFBIによる捜査が行われることになったと、The Driveが報じている。
ギルデイは5日の会見で、ドローンが地球外のものである証拠はないと明言したと、NBCは伝えている。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)