ゴールドマン・サックスは、特別買収目的会社(SPAC)を使った上場が相次ぐ電気自動車市場にビジネスチャンスを見出そうとしている。
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米金融大手ゴールドマン・サックスが、新規株式公開(IPO)の引受業務や合併・買収(M&A)案件が増えつつある自動車産業にチャンスを見出そうとしている。
電気自動車や自動運転、コネクティビティ関連のソフトウェアやオンライン販売へのシフトが加速し、自動車ビジネスはその姿を大きく変えようとしている。スタートアップにとって敷居が高いことで知られていた産業分野だが、新興企業にもビジネス参入の余地が生まれてきている。
「(フォード創業者の)ヘンリー・フォードがライン生産方式による大量生産を始めたとき、あるいは蒸気機関が内燃機関に置き換わったときは、まさにこんな感じだったのではないか。いまは当時にかなり近い状況だと感じている」
そう語るのは、ゴールドマン・サックスに新設された自動車テクノロジー担当チームを率いるファウスト・モナチェリだ。
ゴールドマン・サックスはすでに自動車産業の革命的発展をリードするテスラとの関係構築を企図し、ここ数年は株式や債券の発行を通じて協業を深めてきた。
そして現在では、自動車テクノロジーに目を光らせているゴールドマン・サックス社内の工業、テクノロジー、メディア、通信など他産業担当のチームをまとめてジョイントベンチャーを設立し、テスラの競合にまでビジネスパートナーを広げようとしている。