火星探査車「パーサヴィアランス」が自撮り画像を撮影…「火星ヘリ」とのツーショットも

火星探査車パーサヴィアランスの自撮り。

火星探査車パーサヴィアランスの「自撮り」画像。

NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS/Seán Doran

  • NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」は、ロボットアームの先に取り付けらたカメラで自撮りをしている。
  • 小型ヘリコプター「インジェニュイティ」とのツーショットも撮影した。
  • 別の自撮り写真では、重さ約10kgの「スーパーカム」のクローズアップを披露した。これは火星の岩にレーザーを照射して成分を分析するものだ。

NASAの火星探査車「パーサヴィアランス(Perseverance)」と小型ヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」は、待望の初飛行を前に、火星で楽しく過ごしているようだ。

惑星探査の新たな手法になるとされるこの飛行は、4月11日早朝(アメリカ東部時間)に行われる予定だったが技術的な問題のために14日以降に延期されることになった。その前に、パーサヴィアランスはインジェニュイティとツーショットを撮影している。

その写真(下)は、アマチュア科学者でグラフィックデザイナーのショーン・ドラン(Seán Doran)が、4月6日に撮影された62枚の画像をつなぎ合わせ、明るさを調整して見事な合成写真に仕上げたものだ。

インジェニュイティの方向を向いたパーサヴィアランス。

インジェニュイティの方向を向いたパーサヴィアランス。

NASA/JPL-Caltech/MSSS/Seán Doran

パーサヴィアランスは同じく4月6日にソロショットも撮影した。こちらは1枚の画像で「スーパーカム(SuperCam)」と「マストカム-Z(Mastcam-Z)」の部分をクローズアップしている。ロボットアーム(自撮り棒として機能する)の先端にある「ワトソン(WATSON)」と名付けられたカメラで撮影された。

NASAはこの写真に、ジェイムズ・ジョイス(James Joyce)の小説「若い芸術家の肖像(A Portrait of the Artist as a Young Man)」にちなみ、「若いロボットの肖像(Portrait of the Artist as a Young Bot)」というタイトルをつけた

自撮りに最適な回転するロボットアーム

パーサヴィアランスには23個のカメラが搭載されている。それらのカメラで大きな岩や溝などの危険な地形を見分け、火星を安全に移動できるようにしたり、機材が正常に動作しているかどうか、地球にいるオペレーターが確認できるようにしている。

パーサヴィアランスの新しい2枚の写真を撮影したカメラ「ワトソン」は広角センサーで、火星の岩石の質感や構造を鮮明に写し出すことができる。ロボットアームの先に取り付けられ、回転させられるので、探査車本体の撮影が可能だ。

「若いロボットの肖像」には、重さ約10kgのスーパーカムが写っている。この機材は、7m以上離れた場所にあるペン先ほどのターゲットに、レーザーを照射できる。レーザーの熱で岩石がプラズマ化し、それを分析することで、火星の組成がより詳細に明らかとなる。

スーパーカムの下には、マストカム-Zという長方形のカメラが2つ付いている。強力なズームレンズを装備し、動画の他、3Dやカラーの画像が撮影できる。

スーパーカムやマストカム-Zのクローズアップ。

スーパーカムやマストカム-Zのクローズアップ。

NASA/JPL-Caltech

古代の火星に生命はあったのか

2021年2月、インジェニュイティを内部に格納したパーサヴィアランスは火星に着陸した。4月3日にインジェニュイティは分離され、現在はパーサヴィアランスから4mほど離れた場所にある。

両機がいるのはジェゼロ・クレーターと呼ばれる古代の湖底で、火星生物の化石を探すには理想的な場所だ。NASAの科学者たちは、もし火星に微生物の化石が存在するとしたら、干上がった湖底や海岸線、川の三角州にある粘土鉱物の堆積物に閉じ込められているのではないかと考えている。パーサヴィアランスの使命は、岩石を集めて分析し、それが事実なのかどうか明らかにすることだ。

一方、インジェニュイティは、技術的なデモンストレーションを行う。重さ1.8kg、サイズはティッシュ箱程度の小型ヘリコプターは、最大で5回の飛行を試みるが、難易度は飛行ごとに上がっていく。最初の飛行では、地上から1、2mの高さまで上昇し、約30秒間ホバリングした後、着陸できるかどうかをテストする。順調にいけば、最終的には約300メートルまで上昇することになるだろう。

飛行が成功するには、火星時間で30日間(地球の約1カ月)、火星の希薄な大気と極寒の環境に耐えなければならない。夜の気温は、マイナス90℃にもなることがある。

インジェニュイティが火星の大地に着陸してから1週間以上が経過した。このヘリコプターは、センサーやモーターのテストをパスすれば、飛行することができる。

[原文:'Portrait of the Artist as a Young Bot': NASA's Perseverance Mars rover is snapping remarkable new selfies

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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