演説を行ったアメリカのバイデン大統領(2021年4月14日、ホワイトハウス)。
Andrew Harnik/Pool via REUTERS
- アメリカのバイデン大統領4月14日(現地時間)、アフガニスタンに駐留する米軍を9月11日までに完全撤退させる計画を明らかにした。
- バイデン大統領は、ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)が戦争の始まりを発表するために使ったのと同じ部屋から演説を行った。
- あれから約20年が経った。
バイデン大統領は4月14日、アフガニスタンに駐留する米軍を9月11日までに完全撤退させる計画を明らかにした。大統領は、2001年にジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)が戦争の始まりを発表するために使ったのと同じ部屋から演説を行った。
「アメリカの最も長い戦争を終わらせる時だ」と、バイデン大統領はホワイトハウスのトリーティールームで語った。ブッシュ元大統領が同じ背景の中で演説を行ってから20年近くが経った。
バイデン大統領は自らが、2001年9月11日の同時多発テロ事件から数週間後の10月7日にブッシュ元大統領が米軍によるアフガニスタン空爆を開始したと発表した時と同じ場所に立っていると話した。
ブッシュ元大統領は当時、国民に対し、アメリカの目標は「テロリストの活動拠点としてアフガニスタンが使われることを阻止し、タリバン政権の軍事力を攻撃することだ」と語っていた。
バイデン大統領は14日、アメリカはアフガニスタンでの軍事作戦の目的を何年も前に達成しており、米軍が5月1日から撤退を開始する中で、今後はアフガニスタンにおける外交上の存在感を確立するために取り組んでいくと述べた。
「わたしたちがアフガニスタンへ向かったのは、20年前に起きた恐ろしい攻撃のためであり、2021年もそこに留まらなければならない理由はない」
「わたしたちは明確な目標とともに戦争に突入し、これらの目標を達成した。ビンラディンは死亡し、アルカイダはイラクとアフガニスタンで解体された」
バイデン大統領はまた、アフガニスタンから米軍を撤退させる自身の決断について、13日にブッシュ元大統領と話をしたとも明かした。
「彼とわたしの間には何年にもわたって政策をめぐる意見の不一致が数多くあったものの、米軍で働いてきた女性や男性の勇気、勇敢さ、高潔さに対する尊敬と支持では、わたしたちは完全に一致している」とバイデン大統領は語った。
そして、大統領は自らをアフガニスタンに米軍を駐留させた4人目の大統領だとした上で、「この責任を5人目に引き継ぐつもりはない」と話した。
(翻訳、編集:山口佳美)