コンビニ副店長から始まったJR人生。非エリートの勝ち筋とは【TOUCH TO GO社長・阿久津智紀3】

TOUCH TO GO社長・阿久津智紀

話題の無人決済システムを開発するベンチャー企業、TOUCH TO GO(以下、TTG)は、現在もJRに籍を置く阿久津智紀(39)の執念から生まれている。

その歩みは、入社1年目からすでにスタートしていた。

阿久津のJR人生は、コンビニの副店長から始まる。NEWDAYSに配属され、半年後には店長を任され、約20人のアルバイトを束ねるようになった。ここで阿久津は小規模ながらも、小売業の川上から川下までを見ることになる。この経験が、のちのち会社を立ち上げるときに役に立つ。

その後、異動になったJR東日本ウォータービジネスという子会社では、東日本管内で約440億円規模になる飲料自動販売機の仕入れを任された。右も左もわからないうちから、40代、50代の取引先の人たちと、値入れの交渉をする。

「20代の若造が、『20万ケース仕入れるから、いくらで売ってくれますか?』とか、そんな交渉ですよ。人間はかまさないと、ナメられるということを知りました(笑)」(阿久津)

この時の経験も、のちに無人レジの事業への結びついていく。

青森移住で酒造り。1年で数100種類試作

次は青森に連れて行かれた。2010年の新幹線新青森延伸にあわせて地域の活性化になる事業を興せと言われる。JRでエキュートなどの駅ナカ事業を牽引した鎌田由美子が責任者だった。

何もない土地を見せられ、「ここで何かやって」と言われたときは、さすがに驚いたが、すぐに面白そうだと思った。

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