中国発のファストファッション「Shein」が圧勝。世界のソーシャルメディアを席巻した「10のブランド」

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世界の大手ソーシャルメディア(Instagram・TikTok・YouTube)で話題になったブランドのランキングが発表された。中国発のファストファッション「シーイン(Shein)」が圧倒的な存在感を見せつけた。

Screenshot of Shein website

知名度の向上を求めないブランドはない。そして、今日より多くの人にブランドを認知してもらう最良の手段はソーシャルメディアだ。

一般ユーザーの何気ないメンションから、スポンサー契約にもとづくインフルエンサーの投稿まで、ブランドは消費者にアピールしようと、インスタグラム(Instagram)やティックトック(TikTok)などのソーシャルメディアを活用している。

さて、そんななかで最も大きな注目を浴びているのはどこのブランドなのか。

米インフルエンサーマーケティング分析プラットフォーム「ハイプオーディター(HypeAuditor)」は、2020年について、インスタグラム1200万アカウント、ユーチューブ(YouTube)450万チャンネル、TikTokで520万アカウントを分析。そのデータをもとに、各ソーシャルメディアで最も多く話題にあがったブランドをランキングした。

「3万人超」のインフルエンサーが「13万回以上」話題に

全体を通じて最も話題を集めたのは、中国発の人気ファストファッションブランド「シーイン(Shein)」だった。インスタでは4位、3万人超のインフルエンサーが13万6000回以上メンションした。TikTokとYouTubeでは1位を獲得した。

一方、インスタで1位になったのは、インフルエンサーがファッションスナップ投稿を通じてアフィリエイト収入を得られるプラットフォーム「ライクトゥーノウ・イット(LikeToKnow.it)」。約2万人のインフルエンサーが60万回以上メンションした。

TikTokでは、動画配信サービス「ネットフリックス(Netflix)」が第2位に、スポーツ・ポップカルチャーブログの「バースツール・スポーツ(Barstool Sports)」が第3位にランクインした。

ネットフリックスはTikTokのマーケティングパワーに着目し、最新の番組や映画のプロモーションに有料広告とインフルエンサーの両方を活用している。同社はインスタでも14位にランクインした。

フェイスブック(Facebook)、ツイッター(Twitter)、インスタグラム、YouTubeなどの広告をトラッキングする調査会社パスマティックス(Pathmatics)によると、ネットフリックスは2020年、ソーシャルメディアおよびデジタルビデオ向けの広告に5730万ドル(約62億円)を使ったと試算している。

一方、バースツールは、同社の創業者デイビッド・ポートノイと一緒にポッドキャスト番組のホストを務めるジョシュ・リチャーズ(TikTokフォロワー数は2470万人)のようなクリエイターの力でTikTokアカウントを盛り上げ、新たなファンを開拓することに成功した。

バースツールのエリカ・ナルディーニ最高経営責任者(CEO)は2021年1月、Insiderのインタビューで「2020年に新たに獲得した読者・視聴者の45%はTikTokからの流入だった」と語っている。

ファストファッションはソーシャルに強い

ハイプオーディターのデータおよびランキングからはほかにも、シーインに限らずファストファッションブランドがインフルエンサーの間で相当な人気になっていることがわかった。例えば、「ファッション・ノバ(Fashion Nova)」は、インスタ、TikTok、YouTubeいずれもトップ10入りを果たしている。

また、ファッション・ノバも含めて、インフルエンサーマーケティングやアンバサダープログラム(=ファンとしての熱量が高い既存顧客をアンバサダーとし、商品やサービスを拡散してもらう計画的な取り組み)が充実しているブランドが高い評価を得ている。

ファストフードの「ダンキン(Dunkin')」、化粧品の「セフォラ(Sephora)」、ワークアウト向け飲料の「バン・エナジー(Bang Energy)」、『フォートナイト』で知られるゲーム配信の「エピック・ゲームズ(Epic Games)」などがその好例だ。

例えば、TikTokで4位にランクインしたダンキンは、同プラットフォーム随一の人気クリエイター、チャーリー・ダミリオ(フォロアー数は1億1300万人超)を起用しつつ、自社の従業員も参加してブランドの名前を広めることに成功した。

以下では、2020年に最も話題になったブランド「トップ10」ランキングを、プラットフォームごとに紹介しておこう。

インスタグラムでは「ファストファッション」の圧勝

  1. ライクトゥーノウ・イット(LiketoKnow.it)※ファストファッション
  2. インスタグラム(Instagram)
  3. ザラ(Zara)※ファストファッション
  4. シーイン(Shein)※ファストファッション
  5. ファッション・ノバ(Fashion Nova)※ファストファッション
  6. ティックトック(TikTok)
  7. ナイキ(Nike)
  8. スポティファイ(Spotify)
  9. エイチ・アンド・エム(H&M)※ファストファッション
  10. プリティリトルシング(Pretty Little Thing)※ファストファッション

TikTokでは「エンターテインメント」が存在感

  1. シーイン(Shein)
  2. ネットフリックス(Netflix)
  3. バースツール・スポーツ(Barstool Sports)※スポーツ・ポップカルチャーブログ
  4. ダンキン(Dunkin')
  5. ティー・ティー・ディー・アイ(TTDeye)※カラーコンタクトレンズ
  6. バン・エナジー(Bang Energy)※飲料
  7. ファッション・ノバ(Fashion Nova)
  8. フォートナイト(Fortnite)※ゲームタイトルのアカウント
  9. マクドナルド(McDonald's)
  10. ネットフリックス(Netflix)※スペインのアカウント

YouTubeでは「ファッション」「美容」「ゲーム」が3強

  1. シーイン(Shein)
  2. セフォラ(Sephora)※美容・スキンケア
  3. エピックゲームズ(Epic Games)※ゲーム配信プラットフォーム
  4. ファッション・ノバ(Fashion Nova)
  5. イケア(Ikea)
  6. アナ・ルイザ(Ana Luisa)※ジュエリー
  7. デュヴォル(Duvolle)※美容・スキンケア
  8. レイコン・グローバル(Raycon Global)※ワイヤレス音響機器
  9. ティーミ・ブレンズ(Teami Blends)※美容・ヘルスケア(お茶製品)
  10. プラリウム(Plarium)※オンラインゲーム

[原文:New data reveals the top 10 brands on Instagram, TikTok, and YouTube - from Shein to Epic Games

(翻訳・編集:川村力)

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