2001年の第1作『ワイルド・スピード』のクライマックスで、公道レースに臨む主人公のドミニクとブライアン。シリーズの発展につれ、劇中で登場する車もどんどん派手に、高価になっていった。
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- 『ワイルド・スピード』シリーズの中核を占めるのはファミリーかもしれないが、主人公の1人、ドム(ドミニク・トレット)の仲間たちが操る車も不可欠な要素だ。
- この記事では、最も記憶に残る、このシリーズを象徴する27台の車を紹介する。
- 第1作で登場するドムのチャージャーから、公開を控える第9作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』でクイニー(マグレダレーン・ショウ)が操るスポーツカーまで、観客の目を釘付けにする車の数々は、このシリーズの華だ。
1995年式三菱・エクリプスは、潜入捜査中のブライアンが違法なストリートレースで最初に操った車だ
第1作『ワイルド・スピード』に登場したブライアンの愛車、ネオングリーンの三菱・エクリプス。
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ブライアンがドムとの最初のレースで操っていたのがこのエクリプスだ。だがその後まもなく、2人が自分たちの縄張りに入ってきたことに激怒したジョニー・トラン率いるギャングの一団の銃撃に遭い、めちゃめちゃに破壊されてしまう。
エクリプスを爆破されたブライアンは、廃車寸前だった1994年式(4代目A80型)トヨタ・スープラを手に入れ、改造に取り組む
『ワイルド・スピード』の後半に登場する、ブライアンのスープラ。
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シリーズ第1作のラストを飾るレースシーンで、ブライアンはこのスープラでドムとの公道レースに臨み、2人の車はどちらも踏切に迫る列車の前をタッチの差で駆け抜ける。
第2作『ワイルド・スピードX2』の冒頭に登場するスーキーの愛車、ショッキングピンクの2001年式ホンダS2000も忘れられない一台だ
このホンダ車は、登場時間こそわずかだったが、忘れがたい印象を残した。
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スーキーを演じた女優のデヴォン・アオキは、この車を「ピンクのバービー・カー」と表現したが、キュートな車体色にだまされてはいけない。『ワイルド・スピードX2』冒頭のストリートレースでは、2着でフィニッシュしているほどだ。
その後の登場シーンでは、修理したこの車に、スーキーがさらに絵柄をペイントしたことがわかる。
派手な車に目がないローマンが、ストリートレースで勝利の見返りとして手に入れたのが、この鮮やかなオレンジ色のダッジ・チャレンジャーR/Tだ
ローマンが手に入れる前のダッジ・チャレンジャー。
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『ワイルド・スピードX2』の終盤で、ローマンはこの車の助手席を改造し、座った男をシートごと飛び出させた。
『ワイルド・スピードX2』冒頭のレースシーンでブライアンがハンドルを握るのは、1999年式日産スカイラインGT-R R34だ
『ワイルド・スピードX2』で、ブライアンはこのスカイラインに乗り、橋からジャンプする。
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ブライアンはレースには勝ったものの、ロサンゼルス市警察から横やりが入り、車の電子機器が機能を停止してしまう。この1台をはじめ、シリーズを通じてスカイラインはさまざまなモデルが登場する。
ブライアンが、岸壁から船に乗り込むシーンで操るのは、1969年式イェンコ カマロ SYCだ
『ワイルド・スピードX2』に登場したカマロ。
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ブライアンは、ストリートレースに勝利した見返りとして、レースの相手からこの車をゲットした。
第3作『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』の終盤、主人公のショーン・ボズウェルは、1967年式フォード・マスタング・ファストバックで、峠での決戦に臨む
『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』で、タカシとのレース対決に臨むショーン・ボズウェル(ルーカス・ブラック)。
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ショーンは父親が拾ってきたこの車を友人とともによみがえらせ、「ドリフト・キング(D.K.)」の異名をとるタカシとのレースに臨む。
黒とオレンジのボディが鮮烈なマツダRX-7ベースのVeilSideカスタムカーで、ハンは東京の街を駆け抜ける
『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』で、ハンは女の子の電話番号をゲットするために、マツダRX-7を派手にドリフト回転させる。
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東京都心でのカーチェイス中に、この車はメルセデスに追突され、車体は大破して大爆発を起こし、運転していたハンは命を落とす。
第4作『ワイルド・スピード MAX』で、ドムは緑の1972年式フォード・グラン・トリノ・スポーツの行方を追う
緑のグラン・トリノは、第4作の敵役の1人、フェニックスが運転する車だ。
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ドムの恋人だったレティは、この車とのカーチェイスの末に車外に投げ出され、それまでの記憶を失う。
第5作『ワイルド・スピード MEGA MAX』では、ドムの妹ミアが伝説的な名車、青と白の1965年式フォードGT40を列車から奪い去る
このGT40は、劇中ではほんのわずかしか登場しない。
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その後、ドムとブライアンがこの車を分解すると、車体に隠されたコンピューターチップが見つかった。
1996年式コルベット・スポーツ・スティングレイも、ドムとブライアンが列車から盗み出した名車の1つだ
『ワイルド・スピード MEGA MAX』の冒頭で登場するコルベット・スポーツ・スティングレイ。
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残念なことに、ブライアンの列車からの逃亡を助けた直後に、ドムが誤ってこの車を崖から落としてしまう。
『ワイルド・スピード MEGA MAX』のラストで、ドムは2009年式ダッジ・チャンレンジャーSRT-8に乗り込み、ブライアンとバトルする
この車は、『ワイルド・スピード MEGA MAX』と、次作『ワイルド・スピード EURO MISSION』の両方に登場する。
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第6作の冒頭では、ドムがこの車に乗り込み、妹ミアの出産に駆けつける(生まれたのは男の子だった)。
第6作『ワイルド・スピード EURO MISSION』の冒頭シーンで、テズが運転している姿が映るフェラーリ・FXX
車から降りたテズがボタンを押すと、近くのATMから紙幣が吹き出し、周囲の人々が群がる。
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このフェラーリは、テズが前作の最後に手にしたカネで買ったものだ。
シリーズ復帰を果たしたレティが再登場シーンで乗っているのは、1971年式のジェンセン・インターセプターだ
第6作で復帰したレティは、犯罪組織のボス、オーウェン・ショウのもとで働いている。
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レティは車から降りると、恋人だったドムを撃つ。ドムの顔を覚えていないのは、彼女が記憶を失っているからだ。
ローマンは命からがら、1970年式フォード・エスコートMK I RS1600のルーフに飛び移る
『ワイルド・スピード EURO MISSION』に登場するフォード・エスコート。
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戦車に追われる高速道路でのチェイスシーンで、ブライアンが操るのがこの車だ。
レティとのストリートレース・シーンで、ドムは深紅のダッジ・チャージャー・デイトナのハンドルを握る
『ワイルド・スピード EURO MISSION』でチャージャーに乗り込むドム。
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ドムは、記憶喪失のレティに1対1のレースを挑むことで、自分のことを思い出させようとした。
第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』の冒頭、訪れた病院をたった1人で破壊し、白のジャガーFタイプで立ち去るデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)
『ワイルド・スピード SKY MISSION』の冒頭シーンに登場したジャガーFタイプ。
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デッカードがこの病院を訪れたのは、前作の最後で意識不明になった弟、オーウェンの様子をうかがうためだった。
ドムがレティをレース・ウォーズに連れて行く際に乗っていたのは、黒の1970年式プリマス・バラクーダ(通称「クーダ」)だ
『ワイルド・スピード SKY MISSION』の序盤、ドムがバラクーダを操るシーン。
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その後、レティがこの車をレースで使用する。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』では、空から降りてきたローマンが、1967年式カマロZ28の改造車に乗り込む
このモデルには、カスタムメイドのタイヤがついている。
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当初、ローマンは飛行機から飛び降りてこの車に乗り込むことを拒否していた。
ブライアンとドムは、ライカン・ハイパースポーツに乗り込み、2棟の高層ビルを飛び越え、この300万ドルの超高級車を大破させる
2人が探していたのは、この超高級車に隠されている、高度なプログラム「ゴッド・アイ」が格納されたコンピューターチップだ。
第8作『ワイルド・スピード ICE BREAK』の冒頭で、ドムは1956年式フォード・フェアレーンとのレースに挑む
『ワイルド・スピード ICE BREAK』の冒頭のシーンに映るフォード・フェアレーン。
Matt Kennedy/Universal Pictures
ドムは訪問先のキューバで、フェアレーンがこの国で最速の車だと言った。ドムが操る場合に限ってだが。
『ワイルド・スピード ICE BREAK』では、ローマンがベントレーGT BR9クーペを操り、ニューヨークの街中を疾走する
左側が劇中のベントレー、右側が実際のモデルだ。
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ただし、ローマンがこの車を運転できたのはわずかな時間だった。
同じくニューヨークのシーンでレティが運転するのは、赤の1996年式コルベット・スティングレイ・クーペだ
『ワイルド・スピード ICE BREAK』のコルベット登場シーン。
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だがこの車は、ドムとのカーチェイスで、彼の巧みなドライビングテクニックに屈し、大破してしまう。
『ワイルド・スピード ICE BREAK』で、鮮やかなオレンジ色のランボルギーニに乗り込んだローマンは、氷上の運転に悪戦苦闘する
ニューヨークにある秘密のガレージに収められたランボルギーニ。
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『ワイルド・スピード ICE BREAK』では、このオレンジのランボルギーニを見たとたん、ローマンは他のものは何も目に入らなくなる。
スピンオフ作品『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』では、デッカード・ショウが流線型の2018年式マクラーレン 720Sを操り、ロンドンの街中でストリートレースに興じる
撮影では、複数のマクラーレンが使われた。
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劇中では、青のマクラーレンがトラックの下を間一髪ですり抜けるシーンがある。その瞬間は、予告動画でも見ることができる。
公開が控える第9作では、クイニー(ヘレン・ミレン)も紫のノーブル M600に乗り込み、ロンドンでドムとストリートレースを繰り広げる
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』で、ついに華麗なハンドルさばきを披露したヘレン・ミレン。
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ミレンは2015年の「Yahoo! Movies」のインタビューで、「『ワイルド・スピード』シリーズで、クレイジーなドライバー」を演じてみたい願望が以前からあったと明かしていた。
そして、第9作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の撮影開始から3カ月が経った2019年9月、ドム役のヴィン・ディーゼルがインスタグラムにミレンとのシーンの動画を投稿。彼女を「すばらしいドライバーだ」と称賛した。
ドムの愛車、70年代のダッジ・チャージャーこそ、『ワイルド・スピード』の魂だ
このチャージャーは、もともとドムの父親の車だった。第4作のエンディングと第5作のオープニングでは、刑務所に送られるドムを護送車から逃がそうとしたブライアンがこの車を運転するシーンもあった。
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『ワイルド・スピード』を象徴する車を1つ挙げるなら、それはダッジ・チャージャーしかあり得ない。
ドムの愛車であるチャージャーは、このシリーズの中でさまざまな修理や改造を経てきた。第4作の『ワイルド・スピードMAX』ではメキシコとアメリカの国境の地下を通るトンネルで大破の憂き目に遭い、第7作の『ワイルド・スピード SKY MISSION』ではデッカード・ショウのアストンマーティンに激突した。同作ではさらに、カスタム版のチャージャーに乗り込んだドムが、飛行機から飛び降りるシーンもあった。次回作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』では、そんなチャージャーが帰ってくる。
[原文:27 of the coolest cars that have been in 'The Fast and the Furious' movies]
(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)