タコベル・クラベタリアン
Taco Bell
- アメリカのタコベルは、ひよこ豆やエンドウ豆を原料とするタンパク質を使用したベジタリアン向け新メニューのテスト販売を開始した。
- タコベルは、ビーガンやベジタリアンにとって最高のファストフード・チェーンだとみなされている。
- 同社は、ポテトの提供を廃止したが、反発を受けてメニューに戻した。
アメリカのタコベル(Taco Bell)は、独自開発した植物ベースのタンパク質を使った「クラベタリアン(Cravetarian)タコ」という名の新メニューをテスト販売している。
この新しいビーガンメニューは、エンドウ豆とヒヨコ豆をブレンドしたタンパク質に、チーズ、レタス、角切りトマト、サワークリームを加え、カリカリのクランチシェルで挟んで提供される。タコベルによると、カロリーは180キロカロリーで、標準的なメニューの「クランチタコスプリーム」の190キロカロリーと同じくらいだ。
クラベタリアンに使われているタンパク質はビーガン食材であり、それを使えばほとんどのメニューをビーガン対応にできるという。チャルーパやブリトーなど、タコベルの代表的なメニューもこれで置き換えられるということだ。
「『クラベタリアン』という言葉は、タコベルが提供するすべての『食べたくなる(crave)』メニューからインスピレーションを受けており、自分のライフスタイルのために風味を犠牲にする必要はないということを強調している」とタコベルは声明で述べている。
この新しいタンパク質を取り入れたメニューを提供しているのは、カリフォルニア州タスティンにある店舗だけで、提供期間は4月29日まで、価格は2.19ドル(約240円)となっている。
タコベルのビーガンメニュー「クラベタリアン・タコ」。
Taco Bell
タコベルは、ヴィーガンやベジタリアンがよく利用するファストフードチェーンだ。同社はプレスリリースで「ファストフード業界でベジタリアン向けの店舗のリーダーになることを目指している」と公言している。
ほとんどのメニューで黒豆を肉の代わりに使うことができ、「フレスコスタイル」で注文すると乳製品がトマトなどで置き換えられ、ビーガン対応のメニューになる。
タコベルでは、パンデミックで増加したドライブスルーの利用に対応するため、メニューをシンプルにする必要に迫られ、ポテトの提供を廃止していたが、数カ月にわたってビーガンやベジタリアンの客が抗議したため、3月にメニューに戻すことになった。今後タコベルは、ビヨンド・ミート(Beyond Meat)と提携し、より多くの代替肉メニューの導入を計画している。
タコベルは「肉を使わない多様なメニューを開発し、提供することで、ベジタリアンの世界に革新をもたらすという誓いをさらに強固なものにしていく」と声明で述べている。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)