日本の野球界は、大谷翔平をマイナーリーグよりも大リーグにうまく適応できるよう育てた —— チームメイトのマイク・トラウトが語る

マイク・トラウト、大谷翔平

マイク・トラウト選手と大谷翔平選手。

Sean M. Haffey/Getty Images

  • エンジェルスの大谷翔平選手はここ3年、アメリカの野球界で人々を最もワクワクさせる選手の1人となっている。
  • 大谷選手はアメリカの大リーグで有名になる前、日本の野球界で最も有名なスター選手の1人だった。
  • エンジェルスのマイク・トラウト選手は、日本での経験が大谷選手の"アメリカの熱狂"に適応する大きな助けになったと語った。

アメリカ野球界のスーパースターによると、日本はアメリカのマイナーリーグよりも有名選手になる準備を進めるのに良い場所なのかもしれない。

大リーグ、エンジェルスのマイク・トラウト選手は、チームメイトの大谷翔平選手がここ3年、"二刀流"としての地位を確立していくのを見てきた。その投げる球のスピードや打った球の飛距離はベテランのスター選手にも引けを取らない。

そしてトラウト選手は、大谷選手が大リーグでプレーすることで人々から注目されることやそこから生じるプレッシャーに、無理なく対応できていると見ている。

「彼が最初にここへやって来た時の熱狂ぶりは本当にすごかった。人々はものすごく高い期待を寄せていたんだ」とトラウト選手はInsiderに語った。

「彼を取り巻く熱狂ぶり、報道陣の多さは自分がこれまでに見たことがないくらいで、彼がしなければならないメディア対応もすごいことになっている。あれだけの人たちが見ている中で、自分自身にあれほどのプレッシャーをかけるのは、本当にすごいことだよ。とても特別なことだ。あれは教えられるものではない」

2009年の大リーグのドラフトで1位指名だった最優秀選手賞3度獲得のトラウト選手自身も、大リーグの"スポットライト"と"プレッシャー"はよく知っている。2019年には12年、4億2600万ドル(約458億円)という国際スポーツ史上3番目に高額な大型契約にサインした。2014年には、アメリカのオバマ大統領(当時)が連邦議会で推し進めようとしていた法案の"良い意味での比喩"として使われたこともある。

選手としては、野球界のどの現役選手よりも良いパフォーマンスを見せることに集中するため、他のスポーツのスター選手のように人目を引いたり、自身の知名度を生かすことにしばしば抵抗してきた。

自身も人々に大いに注目されてきたトラウト選手は、大谷選手の日本での育成が、自身も経験したアメリカのファームシステムよりも、大谷選手をプレッシャーに上手く対応できるよう育てたと考えている。

「マイナーからここへ上がってくる若い選手にとっては、ペースを落とそうとするようなものだ。でも、翔平は日本ですでにそれをやってきている。ものすごく注目されていたからね」とトラウト選手は語った。

「彼はすでに経験してきている。決定的瞬間がどんなものなのか、どう反応すればいいのか、分かっているんだ」

大谷選手とチームメイト

Sean M. Haffey/Getty Images

そして、日本でのプレー経験が大谷選手にマイナーリーグから上がってきた選手たちに対してアドバンテージを与えたと思うかと聞かれたトラウト選手は、「間違いなくそうだ」と答えた。

大谷選手は、アメリカのマイナーリーグからメジャーリーグに上がる道をもう少しで選ぶところだった。2012年、大谷選手は当初、高校卒業後すぐにMLBのキャリアを追求する考えを示していた。しかし、大谷選手は日本のプロ野球ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズに指名された。長期にわたる契約交渉の末、ファイターズは日本でプロ野球選手としてのキャリアを始めるよう大谷選手を説得した。

日本にとどまるという決断によって、大谷選手は大リーグでプレーし始めるよりもかなり前に日本の野球ファンの心をつかんだ。有力な若いピッチャー兼バッターとして、彼はファイターズと日本全体にとって神のような存在になった。

「彼が最初にここへやって来た時の熱狂ぶりは並外れたもので、みんなが翔平を見たがっていた。ぼくが一番の有望株として出てきた時にとても似ていたけれど、日本にファン層がいる状態でやって来た彼の方がその熱狂ぶりはやや上だった」とトラウト選手は話した。

日本の野球界はこれまで、イチロー選手や松井秀樹選手をはじめ、田中将大選手、ダルビッシュ有選手、前田健太選手といった大リーグで活躍する多くの選手を輩出してきた。

ただ、トラウト選手が考える"日本のアドバンテージ"は、日本で生まれ育った選手以外にもあてはまるものだ。

カーター・スチュワート・ジュニア選手は2018年のMLBのドラフトでアトランタ・ブレーブスから全体8位で指名された。ピッチャーとして有望視されていたフロリダ州出身のスチュワート選手は、高校卒業後すぐに指名を受けた。しかし、最終的に日本の福岡ソフトバンクホークスと契約したことで、彼はトラウト選手よりも大谷選手と似たような道を歩むことになった。

CBS Sportsによると、この決断によってスチュワート選手は700万ドルの契約を結ぶことができたという —— これはドラフト指名後の健康診断で過去の手首の怪我を指摘された後、ブレーブスがスチュワート選手に提示しようとしていた金額より500万ドル多い。

スチュワート選手は4月中旬、ホークスで1軍デビューを果たした。4年後、25歳で無制限フリーエージェントになる予定で、これはアトランタにとどまっていた場合よりも少なくとも3年早い見込みだ。

スチュワート選手は、野球選手としてのキャリアを始める場所として、日本に目を向ける若いアメリカ人選手の先駆者になる可能性がある。そして、未来のスーパースターとしての大谷選手のポテンシャルが日本を近いうちに、世界中の才能ある若いプレーヤーにとって"頼りになる国"にするのかもしれない。

[原文:Mike Trout thinks Japanese baseball made Shohei Ohtani more ready for MLB fame than minor leagues would have

(翻訳、編集:山口佳美)

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