インドの医療崩壊危機を前に、インド系アメリカ人経営者らが動き出した。写真はマイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)。
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Business Insider Indiaが緊迫した国内の感染状況とそれに対する支援の状況を報じている。
インドでは4月26日、新規感染者数が35万2991人と過去最多を更新、6日連続で30万人の大台を上回った。医療体制崩壊の危機に直面するインドに対して、世界中から支援が集まっている。
インドへの積極的支援を申し出た人々のなかには、テクノロジー業界を代表するインド系アメリカ人の企業経営者やビリオネアが名を連ねる。
グーグル(Google)のスンダル・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、インド支援のために1800万ドル(約20億円)の資金を拠出することを発表した。
グーグルはほかにも、ワクチン接種や検査を促すための情報提供への協力などさまざまな支援策を提供することを明らかにしている。
「我々にできる最大の支援は、検索やマップ、YouTube、広告などの情報系のコアプロダクトを通じて何かをすること。グーグル検索の新型コロナに関するさまざまの機能はインドでも利用できるし、英語以外に8つのローカル言語に対応している。
ローカライズの改善も続いており、検査やワクチン接種の会場など、当局からの情報が見やすく表示されるようにした。マップと検索には現時点でも数千カ所のワクチン接種会場が表示されるが、今後さらに数万の会場を追加していく予定だ」(グーグル現地法人カントリーマネジャーのサンジャイ・グプタ)
マイクロソフト(Microsoft)のサティア・ナデラCEOも支援提供を発表。ツイッターを通じて、自社のリソースとテクノロジーを活用して、危機的状況にあるインドを支える考えを明らかにした。
アメリカのバイデン政権は4月25日、ワクチン製造に必要な原材料や人工呼吸器、検査キットなどをインドへの供給を緊急支援すると発表している。
その直前には、やはりインド系アメリカ人経営者のひとり、サン・マイクロシステムズ共同創業者でベンチャーキャピタリストのビノッド・コースラが、酸素タンク・濃縮器など医療必需品の供給を強化する基金の設立をツイッターで発表。
インド最大の病院グループであるアポロ・ホスピタルズ(Apollo Hospitals)がすぐにスレッドで反応し、支援を要請する展開となった。
ほかにも、シリコンバレーのエンジェル投資家バラジ・スリニヴァサンが、インド支援に最大10万ドルを寄付すると発表。インド系アメリカ人からの支援が急拡大している。
[原文:From Sundar Pichai to Satya Nadella – Indian-Americans wake up to the COVID-19 crisis at home]
(翻訳・編集:川村力)