銀座三越前のライオン像。銀座のデパートも休業が相次ぐ。緊急事態宣言が発令された2021年4月25日に撮影。
撮影:吉川慧
3度目となる緊急事態宣言が、2021年4月25日に発令されました。東京、大阪、京都、兵庫の4都府県が対象で、5月11日までの17日間が対象になります。
緊急事態宣言は、大型連休・ゴールデンウィーク(GW)の期間と重なっています。東京都では連休中の「ステイホーム」を呼びかけていますが、そもそも大型の商業施設には休業要請が出されており、買い物や外食、イベントへの参加は制限されそうです。
これから迎える緊急事態宣言下のGW、どのような影響があるのかQ&Aでまとめました。
Q、東京から地方の実家に帰省してもいいの?
A…「不要不急の都道府県間の移動」については、極力控えるよう求められています。
東京都の小池都知事は、GW中のステイホームを呼び掛けた。2021年4月23日撮影。
撮影:横山耕太郎
東京都の小池知事は、都民に対しGWの旅行や帰省についても中止や延期を呼び掛けています。また小池知事は、GW中の人の流れを減らすため、東京都外の住民に対しても「通勤も含めて、どうしても出勤が必要な方以外は、可能な限り東京に来ないでほしい」と呼び掛けています。
また企業に対しては、テレワークや時差出勤により「出勤者を最大でも3割に抑制」することや、GWはできるだけ連休とし、出勤の抑制に協力してほしいとしています。
Q、楽しみにしていたイベントはどうなるの?
A…イベントは「無観客」での開催や、中止や延期になることも。
新国立劇場で公演中止を知らせる掲示。
撮影:横山耕太郎
緊急事態宣言の期間中、イベントなどは原則として「無観客」での開催が要請されました。
プロスポーツの試合は、無観客での実施や延期が相次いで発表されています。プロ野球は、緊急事態宣言の対象となっている4都府県で開催される試合について、無観客で実施や延期を決定しています。Jリーグも同様に、4つの都府県でのリーグ戦を無観客で開催します。
劇場や集会場、展示場、ホテル、遊園地などでのイベントについても、無観客で行うことが要請されています。
コンサートや演劇なども中止の決定が相次いているので、GWにイベントの予定がある場合は、予定通りに実施されるのか確認が必要です。
Q、休業するのはどんな施設?
A…面積が1000平方メートル以上の大規模な商業施設が対象です。
3回目の緊急事態宣言で休業要請の対象になっているのは、面積が1000平方メートル以上の店舗です。1000平方メートルは、テニスコート5面ほどの大きさです。
映画館、ショッピングセンター、百貨店、体育館、美術館など、1000平方メートルを超える場合、休業要請の対象になります。逆に言えば、同じ業種の商業施設であっても、1000メートルを超える場合は休業要請の対象になり、1000平方メートル以下の場合は休業要請の対象にならないこともあります。
Q、ゴールデンウィーク中、夜にレストランは行けないの?
A…お酒を提供しない場合は、夜8時までは営業できます。
午後8時までの時短営業をする飲食店。2021年4月25日撮影。
REUTERS/Kim Kyung-Hoon
今回の緊急事態宣言では、「お酒」を提供する飲食店に関しては、休業要請が出されています。「カラオケ」がある飲食店も同じです。
「お酒」「カラオケ」がない飲食店は、午後8時までの時短営業が要請されています。例えば、お酒のメニューもあるレストランや定食屋では、お酒のメニューは提供を中止し、食事だけ提供するお店もあります。
お酒を楽しむことがメインだった飲食店では、お酒なしで夜8時まで営業するか、または休業するか、店によって判断が分かれています。
Q、休業しない施設もあるの?
A…生活物資を販売するスーパーやコンビニは対象外です。
面積が1000平方メートル以上であっても、生活に必要な物資を販売する施設は休業要請の対象外です。
具体的には、食料品売り場(移動販売も含む)、コンビニエンスストア、百貨店(生活必需品売場)、スーパーマーケット、ホームセンター(生活必需品売場)、ショッピングモール(生活必需品売場)、ガソリンスタンド、靴屋、衣料品店、雑貨屋、文房具屋、酒屋などは、休業要請の対象ではありません。
また、病院や歯科、薬局、鍼灸・マッサージ、接骨院のほか、ホテルや旅館、ウィークリーマンションなどの宿泊施設も対象外です。
Q、問い合わせが殺到していると聞くけど、なぜ?
A…「生活に必要な物資」「社会生活の維持に必要なものを除く」などの定義が分かりにくいためです。
休業要請は「社会生活の維持に必要なものを除く」ですが、この線引きが難しいケースも。
東京都の資料によると、「本屋」は休業要請の対象外とされましたが、「古本屋」については1000平方メートルを超える場合は休業要請の対象となるなど、問い合わせが殺到しました。
また、無観客開催についても対応が分かれています。
無観客開催要請については「社会生活の維持に必要なものを除く」とされています。これに対し、都内の4軒の寄席では「寄席は社会生活の維持に必要」として、客席数を限るなど感染防止策を講じた上で、客を入れて開催していました。しかし4月29日、5月1日~11日の期間は要請を受け入れ、寄席の営業中止を発表しました。
Q.休業した場合、補償はされるの?
A.協力金が要請に応じた大型施設、飲食店へ支払われます。
松坂銀座では、地下の食品コーナーなどを除き臨時休業している。2021年4月25日撮影。
撮影:吉川慧
1000平方メートルを超える大型の商業施設については、緊急事態宣言中の17日間、休業した場合には340万円が支給金が支給されます。また、大型ショッピングモールなどの施設に入っているテナントについては、34万円が支給されます。
また東京都の独自の支援として、1000平方メートル以下の飲食店以外の中小企業を対象とした支援金も設けています。面積が1000平方メートル以下であっても、1日2万円、17日間の休業で32万円が支払われます。
Q、学校や部活はどうなるの?
A…休校の要請はありませんが、部活動は自粛となります。
緊急事態宣言中も、幼稚園や小中学校、高校などへの休校要請はありません。ただし、授業では「オンラインの活用」を求めており、部活動は自粛となります。
東京都によると、都立高校の場合は時差通学や分散登校を実施し、4月29日から5月9日は、「全高校でオンラインを活用し、全生徒は自宅学習」としています。
(文・横山耕太郎)
【UPDATE】発表をもとに、一部内容を加筆しました(2021/04/29 1:00)