- ジャネール・ペイン(Janelle Payne)さんは、隣人から1974年式の古いトレーラーを無料で譲り受けた。
- ペインさんは、5000ドルをかけて、そのトレーラーを夢のような小さな移動式の家に変身させた。
- 改装前と、4カ月をかけた改装後の姿を比較したビフォーアフター写真を見ると、古い車両が生まれ変わったことがわかる。
カリフォルニア州に住むジャネール・ペインさんと夫のチャドさんは、2人とも看護師だ。新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、2人は、自らが住む地域の医療機関に派遣されてくるトラベルナース(短期で働く看護師)たちを支援する方法はないかと考えていた
夫妻は以前にも、自宅の敷地内にあった馬小屋に付属する馬具置き場を改装し、看護師向けの住居に作り替えていた。そのプロジェクトが終わると、ジャネールさんは、次に改装する物件を探し始めた。その時、近所の人が古いキャンピングトレーラーを裏庭に放置しているのに気づいた。
持ち主が無料で譲ってくれるというので、ジャネールさんは、この古いトレーラーを居住可能なスペースへと改装する作業を始めた。
ジャネールさんは、約5000ドル(約54万6500円)と4カ月をかけ、仕事と子ども2人(マックスくんとレックスくん)の育児の合間を縫って、トレーラーを見事に改装した。
この改装の模様は、ジャネールさんのインスタグラムページ「@nailgun_nelly」に記録されている。
そして今、ペインさん一家は、改装後のトレーラーをトラベルナースに貸し出している。借りる人がいない時には、家族の旅行に利用しているという。
ジャネールさんが譲り受けた時、1974年式のキャンピングトレーラー「アイデアル(Ideal)」は、何層にもなった緑色のカビで覆われていた。そこでジャネールさんはペンキを塗り直し、羽目板でつくった日よけを追加した
トレーラーは、改装しなければ使い物にならない状態だった。そこでジャネールさんはまず、長い年月の間に蓄積していた外壁のカビをすべて、こすり落とすことから始めた。
カビを落とした外壁に新たにペンキを塗り、前面には羽目板でつくった開閉式日よけを追加した。夜間はこれを閉めれば、人目を気にせずくつろげる。
170平方フィート(約15.8平方メートル)のトレーラー内に足を踏み入れると、最初に目に入るのは、風通しの良いキッチンスペースだ。だがこの空間は、以前はこのような姿ではなかった
この改装は、明るく風通しの良いスペースを作り上げることが目標だったと、ジャネールさんは語る。そのためにまず、内壁の大部分を白いペンキで塗ることにした。
さらにここに、緑がかったブルーのソファや、鮮やかな赤色のラグでアクセントを加え、色のバランスを取った。
キッチンも、木製のカウンタートップ、新しいシンク、個性的な照明器具が加わり、大幅に改装されている
ジャネールさんは、キッチンに白いペンキを塗り、アクセントに明るい色を加えてイメージチェンジを図った。
キッチンユニットの後ろの壁には、六角形の白いタイルを選んだ。キャビネットの取っ手やガスコンロのつまみなどの金具類は、ゴールドで統一している。
ガスコンロの上には、オープンスタイルの棚を追加。これは、ジャネールさんのお気に入りだという
コンロの上の棚を、扉を設けないオープンスタイルにしたことには、賛否両論があったという。だが、ジャネールさんは自分の選択に満足していると話す。
ジャネールさんと家族は、このトレーラーで常時暮らしているわけではないので、オープンスタイルの棚でも、片付けのわずらわしさとは無縁だという。
移動するときは、コップや皿が落ちてくることがないよう、食器類はシンクに置いておくという。
彼女はもともとダイニングルームだった場所を居心地の良いリビングに改装した
改装前のトレーラーにはダイニングコーナーが設けられていたが、ジャネールさんはこれを撤去し、空いたスペースにベルベット地のソファを置いてリビングにすることに決めた。
このソファは、広げるとツインサイズのベッドに変身する。こちらの方が、自分たちの家族のニーズにマッチしていると、ジャネールさんは話す。
キッチンの奥にはベッドルームがある。ここに2つあったクローゼットを撤去し、子どもたちのための2段ベッドにした
ジャネールさんがこのトレーラーを最初に見た時には、1人か2人が寝られるだけのスペースしかなかった。
トレーラーを家族全員が使える場所にしたいと考えていたジャネールさんは、2つのクローゼットといくつかの引き出しを撤去し、代わりに2段ベッドを据え付けることにした。
これで、2人の息子マックスくんとレックスくんも、トレーラー内に自分の場所を確保できた。
ジャネールさんは当初、このトレーラーの収納スペースがあまりに少ないことに驚いたという
もともと、このトレーラーの収納スペースは、3つのクローゼット(うち2つは子どものベッドに改装された)と、あとはいくつかの引き出しがあるだけだった。
通常、トレーラーで暮らす人たちは、最低限の収納スペースしか用意されていないという問題に直面し、その解決にさまざまなワザを駆使することを余儀なくされる。
改装後は、子どもたちのベッドの下にも収納スペースが設けられた。ジャネールさんはここに子どものおもちゃをしまっている。
子どもたちのベッドの近くは、もう1台のベッドがある
ベッドの背後にある壁には、白いレンガを模した壁紙を貼った。また、ウォールシェルフと、ロープ飾りがついた照明も新たに追加した。
「少しガーリーで、いろいろなテイストを取り入れた、とても居心地の良いスペースになった」と、ジャネールさんはインスタグラムの投稿に書き添えている。
ベッドルームの奥にある、スライド式のドアを開けると、そこはバスルームだ。改装後の壁には、羽目板が張られた
バスルームは大幅な改修が必要だったと、ジャネールさんは振り返る。
改装後のバスルームには、新たに天窓が設けられ、壁とシャワーブースには羽目板が張られた。
バスルームのクローゼットは、収納用バスケットを使うスタイルになった
ジャネールさんは、最後に残された3つ目のクローゼットには斬新なアイデアを試したいと考えた。このトレーラーは常時暮らす家ではないことから、ジャネールさんは、キャンプ旅行に出かける際に、家族が簡単に荷造りできるような仕組みを考案した。
そこで、クローゼットの壁に、家族それぞれのバスケットを全部で4つ、掛けることにした。
これなら、次の冒険旅行に出かける時にも、スーツケースは不要だ。家族は、自分の持ち物を自分用のバスケットに入れるだけでいい。
改装で見違えるようにきれいになったトレーラーで、ペインさん一家は、カリフォルニア州内を回るキャンプ旅行に出かけた
改装後初めて、このトレーラーで旅行に出かけた時は不安だったとジャネールさんは打ち明ける。
「『あのウォールシェルフが、目的地に着くまでひっくり返ることがありませんように』と祈るような気持ちだったのを覚えています」と、ジャネールさんはその時の心境を語った。
幸い、トレーラーの設備はすべて無事だった。さらに、最初のキャンプ旅行を体験してみて、家をまるごと持って行けるなら、キャンプ旅行はぐんと楽になることと学んだという。
ジャネールさんはこれを手始めに、もっと多くのトレーラーを改装したいと考えている。今は、改装にぴったりのトイハウラー(リア部分にバイク等が積める小型ガレージが設けられたトレーラー)を探している。
ジャネールさんは、古ぼけたトレーラーを機能性の高いリビングスペースに改装することができた
「狭いことはわかっていたので、オープンで明るいスペースにしたいと考えました。実際より広くと感じられて居心地の良い場所にできたらと思ったのです」とジャネールさんは振り返る。
「改装前がとても悲惨な状態だったのも、かえってよかったと思います」とジャネールさんは付け加えた。
「『ビフォー』が悪い分、『アフター』がとてもすてきに見えますからね」
(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)