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- ビル・ゲイツはアメリカで誰よりも多くの農地を所有していることが、The Land Reportの分析でわかった。
- その報告によると、彼の農地の広さは24万2000エーカー(約980平方km)で、ワシントン州からフロリダ州まで18の州に渡って存在する。
- これらの農地は、妻メリンダとの離婚したことで、分割される可能性がある。
2021年1月に発表されたThe Land Reportの分析で、マイクロソフト(Microsoft)の共同創業者で慈善家であるビル・ゲイツ(Bill Gates)は、アメリカに24万2000エーカー(約980平方km)の農地を所有しており、最大の民間農地所有者であることが分かった。
だが、ゲイツが最大の農地所有者である期間は、そう長くない可能性がある。彼は5月3日、結婚から27年を経て、妻のメリンダ・ゲイツ(Melinda Gates)と離婚することをツイッターで発表したからだ。
世界で4番目に裕福な人物であるゲイツが所有する、24万2000エーカーの農地を含めた推定1460億ドル(約16兆円)の資産は分割される可能性がある。
彼らは婚前契約は交わしていなかったが「離婚契約」に従って資産を分割する予定だとTMZは報じた。この契約によって夫妻は、裁判を経ずに資産を分割できる。契約の内容は明らかになっていないが、分割される資産は過去最大となり、メリンダ・ゲイツは世界で最も裕福な女性になる可能性が高い。
The Land Reportによると、夫妻は18の州に広大な農地を所有しているという。そして、ゲイツ家が所有する最も広い農地があるのはルイジアナ州(6万9071エーカー、約280平方km)で、そのほか、アーカンソー州(4万7927エーカー、約194平方km)、ネブラスカ州(2万588エーカー、約83平方km)などにあると報じている。
同記事によると、これらの農地は直接所有しているものと、彼の資産管理会社、カスケード・インベストメント(Cascade Investment)を通じて所有しているものがあるという。
ゲイツはまた、転用中の土地を数千エーカー所有している。アリゾナ・リパブリック(Arizona Republic)は2017年、 カスケード・インベストメントがかなりの資金を投じて購入したアリゾナ州フェニックス近郊の約2万5000エーカー(約100平方km)の土地が、8万戸分の宅地、4000エーカー(約16平方km)以上の学校やオフィス、店舗、3400エーカー(約13.7平方km)の広場などに変貌しつつあると紹介した。
ゲイツの農地所有は驚くことではない。ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)は2017年、アジアとアフリカで低所得農家が気候変動に対応するための研究に、3年間で3億ドルを拠出すると発表した。また2018年には、南アジアとアフリカの農場で、品質の高い卵を産む鶏の繁殖や、より多くのミルクを作り出す牛の研究支援に4000万ドルを投じると発表している。
The Land Reportのランキングで2位だったのは、1964年に農業を始めたミネソタ州の世界最大のジャガイモ農家、オファット家(Offutt family)で、19万エーカー(約769平方km)の民間農地を所有しており、ゲイツの王座を奪う可能性がある。
The Land Reportによると、投資会社ワンダフル・カンパニー(Wonderful Company)の共同創業者であるスチュワートとリンダのレズニック夫妻(Stewart and Lynda Resnick)も、アメリカに19万エーカーの農地を所有している。彼らは「Wonderful Pistachios」「POM Wonderful」「Wonderful Halos Mandarins」などのブランドを所有している。
The Land Reportによれば、ゲイツはアメリカで一番多くの農地を所有しているが、一番の土地所有者ではない。The Land Reportが発表した「2019年のアメリカの土地所有者トップ100」の第一位は大富豪の実業家で慈善家のジョン・マローン(John Malone)で、220万エーカー(約8900万平方km)の土地を所有していた。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)