撮影:小林優多郎
ソフトバンクは5月6日、楽天モバイル社員が前職のソフトバンクから5Gなどの通信に関する秘密情報を不正に持ち出した事件に関して、楽天モバイルおよび当該の従業員に対して、東京地方裁判所に提訴したと発表した。
ソフトバンクは、当該情報の利用停止と破棄、約1000億円の損害賠償請求権の一部として10億円の支払いなどを求めている。
ソフトバンクが5月6日に公表したプレスリリース。
撮影:小林優多郎
ソフトバンクは「今回の訴訟を通じて、楽天モバイルが同社の不正競争を通じて不当な利益を得て当社の営業上の利益を侵害したこと、また、当該不正競争により建設された基地局等が存在することを明らかにすべく、不正競争防止法に基づき下記の請求を行います」とコメント。
東京地方裁判所に対して、以下の申し立てをしている。
- 2020年11月27日付 楽天モバイルに対する証拠保全申立て
- 2020年12月10日付 楽天モバイルに対する、持ち出された情報の利用停止などを求める仮処分命令申立て
- 2021年1月15日付 元従業員の資産を対象とした仮差押命令申立て
- 2021年2月8日付 元従業員に対する、元従業員がソフトバンクから持ち出した営業秘密の利用停止などを求める仮処分命令申立て
なお、楽天モバイル側は2021年1月12日の元従業員の逮捕時に山田善久社長名での「お知らせ」を発表。リリース内で「当該従業員が前職により得た営業情報を弊社業務に利用していたという事実は確認されておりません。また5Gに関する技術情報も含まれておりません」としていた。
(2021年5月6日16:30 更新)
楽天モバイル広報担当者はBusiness Insider Japanの取材に対し「訴状はまだ届いていない」としながらも、「訴状の送達を受け次第、内容を精査の上、裁判において当社の正当性を主張してまいります」と回答。
また、5月6日15時35分頃のお知らせでは「本件について当社では社内調査を実施してきておりますが、ソフトバンクの営業秘密を当社業務に利用していたという事実は確認されておりません」と改めて主張した。
(文、撮影・小林優多郎)